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1月18日の日病協・実務者会議のご報告

Posted By 日本慢性期医療協会 On 2012年1月18日 @ 11:46 PM In 協会の活動等 | No Comments

 平成24年1月18日(水)、日本病院団体協議会「第77回診療報酬実務者会議」が開催され、当協会からは常任理事である池端幸彦先生(池端病院・理事長)と富家隆樹先生(富家病院・理事長)が出席しました。
 
 まず、中央社会保険医療協議会委員の万代恭嗣先生および西澤寛俊先生より、12月から1月にかけて開催された中央社会保険医療協議会(中医協)について報告されました。

 とくに重点課題では、「複数科受診」「地域医療貢献加算」「栄養サポートチーム加算」「患者サポート体制」「特定除外制度」の各課題において、支払側、診療側で意見が異なっているため、今後の動向に注意を要する項目として報告されました。

 また、同じく重点課題である「訪問看護の充実」では、猪口雄二先生(全日本病院協会副会長)および当協会の池端幸彦先生より、退院直後2週間に限り、特別訪問看護指示に基づき訪問看護ができることを明確化する、と記載されていることについて、これまでの案より後退しており、これでは実質的には現状と何ら変わりがないのではないかと懸念する意見もだされました。

 なお、診療報酬改定に関連して、今回法改正が行われた「介護職員等によるたんの吸引等の実施のための制度」について、特に医療関係者との指示・連携に関する基準について議論が集中しました。「医師・看護職員との連携の下に計画書を作成」「緊急時の医師・看護職員への連絡方法」等の基準が設けられていますが、実際に指導者研修に参加された当協会の富家隆樹先生より、50時間の研修において「急変時の対応は連絡先を確認」となっていることへの懸念が述べられました。更にたんの吸引で事故が起きた場合の責任の所在など、まだまだ議論不足であり、これまでの議論だけで医師が指示書を書くことは困難ではないかとの意見等、委員間での多くの議論が交わされました。今後は、医療法上の問題も含めて更に主張していく必要があるということで意見の一致をみました。

 更に当協会の池端幸彦先生からは、療養病床の病棟環境加算Ⅲ、Ⅳについての適正化の方向性が示されているが、これは構造上立て替え以外には是正不可能な条件であり、大都会の療養病床を中心に大打撃を受ける可能性があるとの意見が出され、西澤寛俊先生も理解を示され再度適正化の見直しを強く要望していく旨の発言を頂きました。

 なお中医協委員の上記両先生より、これまでの意見を踏まえ、12年度診療報酬改定の検討状況をまとめた「現時点の骨子」を作成し、現在パブリックコメントの募集を開始しており、日本病院団体協議会加盟の各団体から是非とも多くのパブリックコメントを提出して頂きたいとの要請があり、各団体に至急依頼をすることも決定されました。今後の中医協は2月上旬の諮問に向けて最終段階に入ると思われ、診療報酬改定の動向に対して、更に注視していきたいと思います。
 



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