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新年のご挨拶④  清水紘・副会長

Posted By 日本慢性期医療協会 On 2012年1月4日 @ 1:10 AM In 役員メッセージ | No Comments

 「新年を迎えて――評価と適正化、適切に評価とは?」

 新年明けましておめでとうございます。介護報酬委員会委員長の清水紘です。今年は診療報酬・介護報酬同時改定(改定)を迎えます。年末には改定率も明示され、これからは、配分について各種審議会での議論が佳境を迎えることになります。介護報酬については、1月中に諮問・答申を待つのみです。

 各種審議会などにおいて、厚労省から提示される改定の論点には、「評価」や「適正化」といった用語が多用されています。ここでいう「評価」とは報酬引き上げ、「適正化」は報酬引き下げを意味する独特な用語です。さらに「見直し」とは、サービスの質の向上のための「厳格化」や現状に即した「緩和」を意味することもあります。

 介護療養型医療施設については分科会の論点のなかで当初、「適正化する」と表現されていました。しかし、12月7日に公表された最終の「平成24年度介護報酬改定に関する審議報告」では、首をかしげる表現に変わりました。それは「介護療養型医療施設については、適切に評価を行う。また、認知症の症状が悪化し、在宅での対応が困難となった場合の受入れについて評価を行う」という表現です。「適切に評価」とは、厚労省の政策誘導に乗らないと厳しい状況になることを意味しているのではないでしょうか。

 具体的には、審議報告に明記されたとおり○○%は在宅からの認知症患者を受け入れることを指しているのでしょう。また、転換型老健については、「喀痰吸引・経管栄養を実施している利用者割合及び認知症高齢者の日常生活自立度を算定要件」とした強化型が新設されます。この財源は、介護療養型医療施設で「適切に評価」され配分される見込みです。

 その他同時改定だから実施可能な「医療と介護の整合性」がどこまで図られるのかも注目すべきです。厚労省資料によれば、医療では急性期・回復期リハビリテーションを提供し、それを介護で維持期リハビリテーションとして受け入れるという川上の医療から川下の介護へスムーズに移行させることを目標としています。したがって介護療養型医療施設の理学・作業・言語療法より運動期・脳血管リハビリテーションという名称に統一されるのではないかと想定しております。医療なき介護はありえません。医療系介護保健施設として介護療養型医療施設の「適切な評価」を受けるために、また経過措置延長から廃止の撤廃を求め、本年も引き続き努力していく所存です。今後ともよろしくお願い申し上げます。

【プロフィール】

 昭和18年生まれ
 昭44年3月   日本大学医学部卒業・麻酔科学教室入局
 昭46年11月   麻酔科標榜医許可
 昭47年 3月  京都第二赤十字病院救急分院
 昭50年 2月  京都大学医学部附属病院麻酔科・手術部
 昭53年 4月  東京都立駒込病院麻酔科
 昭54年 6月  財団法人仁風会 京都四条大宮病院
 昭63年 4月  財団法人仁風会 京都南西病院
 平元年 6月   財団法人仁風会 理事長
 平 3年 6月   社団法人京都私立病院協会 理事
 平 5年 3月   財団法人仁風会 嵯峨野病院
 平 7年 6月   社団法人京都私立病院協会 副会長
 平10年11月   京都介護療養型医療施設連絡協議会(現 京都療養病床協会会長)
 平13年 4月  社団法人全日本病院協会 理事
 平13年 4月  社団法人日本病院会 代議員
 平17年 6月  社団法人京都私立病院協会 会長
 平20年 4月  日本慢性期医療協会(旧 日本療養病床協会) 副会長

                                      同      介護保険委員会 委員長
 平21年 6月  社団法人京都私立病院協会 監事
        その他
        社団法人京都府介護支援専門員会 副会長
        京都介後・福祉サービス第三者評価等支援機構 副会長
               同         専門委員会 副委員長
        京都市介護保険等運営協議会 委員
            同   介護サービス質的向上ワーキンググループ委員
        京都市民長寿すこやかプラン推進協議会 委員
 



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