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新年のご挨拶②  中川翼・副会長

Posted By 日本慢性期医療協会 On 2012年1月2日 @ 12:18 AM In 役員メッセージ | No Comments

 日慢協のブログをご覧いただいている皆様、新年明けましておめでとうございます。健やかに新年をお迎えのことと存じます。

 私は、昭和42年に大学を卒業し、脳神経外科医師の道を歩み始めました。神経系の疾患に関心があったからです。それから28年間、急性期医療、研究等に、多忙ながら充実した毎日を送りました。53歳の頃、医療法人渓仁会の初代理事長から、同一法人の慢性期医療を担う定山渓病院への管理者就任を打診されたため、それを受諾し、以来16年間、慢性期医療の分野で仕事をしています。

 急性期医療から、慢性期医療への異動、これは私にとりましても大きな転機でしたが、研鑽を深め、また、多くの方々のご指導を得て今日に至っています。

 この分野も高齢者を含めた広い意味での慢性期医療として、その役割が次第に認知されてきていると感じています。この流れを加速させているのが、平成20年4月に就任した武久洋三会長の強力なリーダーシップであり、また慢性期医療を担う全国の多くの病院の頑張りです。いま当協会には私を含めて4名の副会長がいますが、私は会長を支える大久保彦左衛門(文鎮?)的な役割かな、と自分なりに理解しています。

 「良質な慢性期医療がなければ日本の医療が成り立たない」という言葉を私は大好きです。短い在院日数で急性期病院を退院して来る患者さんの後方支援機能は欠かせません。また、介護施設や在宅から医療の必要性が出てきた患者さんの支援もとても大切な仕事です。疾患は多岐にわたりますが、まさに病院一丸となったチーム医療が求められている領域です。

 昨年の3月11日に東北地方に大震災が発生いたしました。その被害の甚大さに驚愕いたしました。復興にはこれから長い期間が必要でしょう。お亡くなりになられた方々に深く哀悼の意を表すると共に、被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。

 私は昨年6月30日と7月1日に、第19回日本慢性期医療学会を札幌でお世話させていただきました。ただ、実は当初、このような大震災の後であり学会を開催するべきか悩みました。日本中もこのような学会開催に抑制的な空気があったことは容易に想像できます。事実、学会の事前登録がなかなか伸びず心を痛めました。しかし、このような中で、被災地での高齢者や慢性期疾患の方の医療・介護の問題が大きく注目されてきました。最終的に開催した学会には約2000名の参加があり成功裏に終了致しました。一部市民公開のシンポジウムも行いました。

 超高齢社会を前に、日本の医療、介護はどのように進めばよいのでしょうか。 このブログを見ていただいているお一人お一人と共に、これからの望ましい姿を考えていくことができればと思っています。皆様のご健勝を祈念いたします。
 

【プロフィール】

 昭和18年生まれ
 昭和42年 北海道大学医学部卒業
 昭和50年~52年 脳循環研究のため
       カナダ・マッギール大学付属モントリオール神経学研究所へ留学
 昭和56年 北海道大学医学部脳神経外科講師
 昭和60年 釧路労災病院 脳神経外科部長
 平成元年  医療法人渓仁会 手稲渓仁会病院 脳神経外科部長
 平成2年  同副院長、渓仁会理事
 平成7年  医療法人渓仁会 定山渓病院 院長

 



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