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平成23年度視察研修が開催されました

Posted By 日本慢性期医療協会 On 2011年12月7日 @ 10:02 PM In 協会の活動等 | No Comments

 今回の視察研修は、会員施設の現場を相互に見学する機会があればとても刺激になるはず、という武久会長の発案から企画されました。

 研修施設は、介護老人福祉施設ヴィラ町田(東京都・町田市)と富家病院のグループ(埼玉県・ふじみ野市)の2ヶ所。

 ヴィラ町田は平成23年7月にオープンした施設ですが、3月の東日本大震災発生時、会員の皆様からお寄せいただいた物資を被災地の会員施設にお届する際の拠点として、オープン前から当協会へのご協力をいただいておりました。

 参加者15名は、10時45分にヴィラ町田のロビーに集合。新たな施設の立ち上げを予定している管理者の方や、現場の取り組みや工夫を吸収したいと考える医療・介護スタッフの方など多様な顔ぶれでした。

 ヴィラ町田の見学時間は約1時間であったため、2グループに分かれ、施設長の黒木氏と事務長の小林氏の引率により手際良く施設全体を見学させていただきました。

[ヴィラ町田 渡り廊下でつながっている]

[ヴィラ町田 個室の様子]

 

 黒木氏によると、法定の基準にはない夜勤看護師やPT、OTを常駐させ、処方箋や検査結果、回診の際のカルテの入力業務を行うスタッフ(キーパンチャー)も配置しており、特養と老健との中間をイメージした施設づくりを行っているとのことでした。

 また、利用者の入浴回数について、週3回行っているとの説明に、参加者から歓声が上がりました。

 黒木氏からは、すべて個室ユニットであるため、中で何が起こっているかがすぐにはわからず、利用者のプライバシーと安全性への配慮とのバランスについては頭を悩ませている、との「本音」も聞かれました。200床ともなれば危険性もそれだけ大きくなる、とのこと。

 そのため職員一同、安心安全な施設運営を目指し、ご利用者様の満足度をアップするよう努力しています、とのことでした。

 昼食は、デイサービス利用者と同じ食事をいただきました。(実際は、ご飯の量が少し多くなっているので約700カロリーとのことでしたが。)

 食後は、コーヒーマイスターの資格もお持ちという黒木氏にコーヒーを淹れていただき、その後、マイクロバスで次の見学先に向かいました。 

 

 道路渋滞の影響で、予定より30分遅れて14時30分にふじみ野市の富家病院に到着。

 特別養護老人ホーム大井苑の玄関に入り、すぐに目に入ったのは、掲げられた「慢性期医療認定証」「医療介護福祉士認定証」の数々! 

 普段現場に携わることのない事務局としては、現場との連続性を感じることができる貴重な体験でした。

 日慢協のアンケートでは100床あたり年間約140万円であった職員研修費用を、富家病院(200床)では職員の教育に年間約1,500万円を充てているとのことです。

 まず、理事長の富家先生から、「されたい医療 されたい看護 されたい介護」の理念についてのご説明がありました。とくに、利用者の方々のお写真が、亡くなられた後も取り外されることなく掲げられる「物語の階段」のお話しは、参加者の胸に強く迫ったように思います。富家先生は、ご家族の方が一周忌などの際にお立ち寄りいただき、思い出話しができる場になれば、とお考えとのこと。富家先生のお母様のお写真も残されているそうです。ナラティブホスピタルに取り組んでいるということが臨場感をもって伝わってくるお話しでした。
 

  

 その後、特別養護老人ホーム大井苑、富家在宅リハビリテーションケアセンター、メディカルホームふじみ野、富家病院の順に見学させていただきました。

 「雅なリゾート」を目指している富家在宅リハビリテーションケアセンターでは、純和風な人工透析室や檜風呂に参加者の関心が集中していたようです。

 「安心のある自分の家」を目指しているメディカルホームふじみ野は、この12月に増築され、内覧会を今回の見学日に間に合うよう準備されたとのこと。

 参加者の方々は、「すべてが新しいコンセプトだ」「既成概念にまるでとらわれていない」と、驚きを隠せない様子でした。

 17時、富家先生に最後のご挨拶をいただき、視察研修は予定どおり無事に終了しました。

 参加者の方々からは、「日慢協の研修はよい企画がとても多い」「次の視察研修の開催予定は?」との声も多く上がっていました。

 今回、2施設を見学させていただき、強く印象に残ったのは、何よりもスタッフの方々お一人おひとりの温かい笑顔です。とても感激いたしました。

 お忙しい中ご準備いただきまして、本当にありがとうございました。深く感謝申し上げます。

 



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