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介護療養型医療施設について意見  武久会長 

Posted By 日本慢性期医療協会 On 2011年12月6日 @ 5:20 PM In 審議会 | No Comments

 厚生労働省は12月5日、第87回社会保障審議会介護給付費分科会を開催し、日本慢性期医療協会の武久洋三会長が同分科会委員として出席しました。

 前回11月24日の分科会で議論された「平成24年度介護報酬改定に関する審議報告(案)」がとりまとめられることになっているためか、傍聴席はほぼ満員で、報道関係者も多く集まっていました。

 審議報告(案)について武久会長は、介護療養型医療施設について追加された下記の文言について2点の申し入れを行いました。

「介護療養型医療施設については、適切に評価を行う。また、認知症の症状が悪化し、在宅での対応が困難となった場合の受入れについて評価を行う。」

 この文言は、前回の分科会で武久会長が「『介護療養型医療施設』に関する記述が一切無いのはどういう意図か。来年の改定では一切触れられず、そのまま維持されると受け取ってよいのか。それとも、まったく無視するということか」と申し入れたため、今回新たに追加されたものです。
 

[武久会長]

 ① 「適切に評価を行う」の「適切に」とはどういう意味か。通常、「適切に」とは、何らかの基準に基づいて評価するものと考えられるので、この場合で言えば、平成23年度介護事業経営実態調査に基づいて特養や老健と同様に適切に見直されていくものと考えてよいのだろうか。まさか、依然として順調に進んでいるとはいえない介護療養型老人保健施設への転換を促すような恣意的な評価がなされるという意味ではあるまい。

 ② 「在宅での対応が困難となった場合の受入れについて評価」されるとのことであるが、病院や施設からの入院についても評価されるということか。

 上記申し入れについては、厚労省の宇都宮啓・老人保健課長より次のように回答がありました。

 ①については、まさに、「適切に評価する」とは平成23年度介護事業経営実態調査の結果から見直しを行っていくという意味であるが、②の認知症患者の受入れについては、在宅支援を念頭に置いているので、医療法との絡みもあり、現在のところ医療機関等までは含まれてはいない、とのことでした。

 また、武久会長は審議報告(案)とは別に、深澤典宏・高齢者支援課長によって示された「平成22年度末 特別養護老人ホームの貸借対照表(1施設当たりの平均値)」について、実際には、ユニット型は赤字経営となっている施設が多いのではないか。当法人でいえば、各ユニットの職員をユニット専従として、他のユニットとの合同業務などは許されていないことから、法定の2割以上の職員を加配している現状である。特養の貸借対照表について1施設当たりの平均値を出すのであれば、ユニット型と多床室とで分けてデータを示すことはできないのか」との申し入れも行いました。

 この点については、「種別ごとのデータは採っていないため、ユニット型と多床室とを分けて集計することはできない」との回答でした。
 

 介護給付費分科会は、15日と28日が予備日とされていましたが、審議報告(案)について一応の委員の一致をみたため、年内の開催は本日が最後となりました。

 今後は、年末に向けて改定率についてとりまとめが行われ、年明け1月に諮問・答申が行われる予定となっています。
 



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