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日本介護医療院協会の設立記念祝賀会を開催

Posted By araihiro On 2018年4月3日 @ 11:15 AM In 会長メッセージ,協会の活動等,官公庁・関係団体等,役員メッセージ | No Comments

 日本慢性期医療協会が中心となって設立した日本介護医療院協会の祝賀会が4月2日、都内のホテルで開催されました。設立記念シンポジウム後に開かれた祝賀会には、関係団体の代表者らが多数出席し、加藤勝信厚生労働相や日本医師会の横倉義武会長、羽生田俊参議院議員、自見はなこ参議院議員らが祝辞を述べました。

 開会にあたり、主催者を代表して日本慢性期医療協会の武久洋三会長があいさつし、「介護医療院を世界に誇れる良い施設となるようにしていきたい」と抱負を述べました。

 続いて、日本介護医療院協会の江澤和彦会長は「行政と運営側といろいろ関係団体が手を取り合い、あるべき姿に導いていくことがとても重要」と述べ、多くの参加を呼び掛けました。

 以下、祝賀会の模様をお伝えいたします。

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「地域包括ケアシステムの中で大きな役割」── 加藤厚労相

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[司会:田中裕之・日本介護医療院協会副会長]
 開会に先立ち、最初に厚生労働大臣、衆議院議員である加藤勝信様からのお祝いメッセージを代読する。加藤大臣は現在ご公務のため遅れて到着されるとのことである。僭越ながら私が代読をさせていただく。

 「このたびは、日本介護医療院協会の設立、誠におめでとうございます。わが国は急速な高齢化の進展、医療提供の場の多様化など、医療や介護を取り巻く環境が大きく変化する中で、さまざまな課題に直面しています。医療機能と生活支援の機能を兼ね備えた介護医療院は、今後ますます増加することが見込まれる慢性期の医療や介護ニーズにきめ細やかに対応する施設として地域包括ケア強化法によって創設されました。今般の介護報酬改定では、その具体的な基準等が設けられました。昨日、介護医療院の施行を迎えましたが、今後、介護医療院が地域包括ケアシステムの中で大きな役割を果たしていただくことを期待しています。終わりに、お集まりの皆さまのご健勝、ご活躍と、日本介護医療院協会のご発展をお祈りして、私のお祝いの言葉といたします。平成30年4月2日、厚生労働大臣、加藤勝信」

 代読である。続いて、主催者からまず、日本慢性期医療協会会長の武久洋三先生にご挨拶をお願いしたい。

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「介護医療院の将来はわれわれ次第」── 武久会長

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[武久洋三・日本慢性期医療協会会長]
01_武久会長20180402 いよいよ、この日を迎えた。昨年1月、介護医療院という名前ができた。厚労省の鈴木康裕医務技監と、厚労省老健局老人保健課の鈴木健彦課長との合作といえる。私どもがいつも非常にお世話になっている方々が中心となって、新しい施設ができる。この介護医療院が世界に誇れる良い施設となるようにしていきたい。

 当然のことながら、慢性期医療の現場から介護医療院に参入していただけると思っているが、将来はどういう形になるのか、まだ分からない。将来が見えないということは、非常に楽しみである。介護医療院をどのようなものにしていくかは、われわれ次第である。

 とりあえず国に形をつくっていただいた。あとは、われわれ現場の努力にかかっている。国民の皆さんから「良い施設ができてよかった」と思われるような介護医療院にするために、この日本介護医療院協会を発足させた。ぜひ皆さんと一緒に力を合わせて頑張っていきたい。

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「介護医療院のあるべき姿を模索していく」── 江澤会長

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[江澤和彦・日本介護医療院協会会長]
02_江澤会長20180402 本日はお忙しい中、多数の方々にご参加を賜った。深く感謝を申し上げる。ご重鎮の方々に多数ご参加をいただき、この場を迎えられることを大変うれしく思っている。先ほどのシンポジウムでは、非常に活発な意見交換ができた。生まれて2日目の介護医療院。これからの前途をいかに考えていくか、これからも皆さんと共に考えていきたい。

 介護医療院は、住まいと生活を医療が下支えする新しいモデルである。決して転換モデルではない。新しいカテゴリーを創設したという思いから、私はあえて「転換」という言葉は使わず、「参入」としたい。これからいろいろな事業者が参入し、どのような結果を出すか。介護医療院が健全に成熟するか。私たちに課せられた責任は重く、期待は大きい。現場と行政、関係団体などが手を取り合い、互いに協力しながら、あるべき姿に導いていくことがとても重要である。

 日本介護医療院協会は、日本慢性期医療協会の会内組織として、日慢協の武久洋三会長のご英断により誕生した。日本介護医療院協会の理念や、介護医療院のあるべき姿、方向性について、現段階ではさまざまな考えがあり、統一した考え方はまだ共有ができていないと思われる。このため、まずは理念や方向性などを煮詰めていきたいと考えている。

 そして、さまざまな研修会の開催や、好事例モデルの収集や分析、情報発信なども進めていく。介護医療院は長期療養をする生活施設であるから、慢性期医療を中心とするわれわれにとって得意分野であるといえる。生活施設という面では、介護施設の運営や経験が十分に生かされるはずである。しかし、新たにチャレンジする施設も増えると思われる。

 私たちは、介護医療院のあるべき姿を模索していく。質の向上につながる取組を進め、第三者による質評価の仕組みなどについても検討していく。将来的には、介護医療院の認定や第三者評価なども考えていきたい。介護医療院は生まれて2日、日本介護医療院協会は今日が誕生日である。皆さま方の叱咤激励、ご指導、ご鞭撻を賜りながら日々成長していきたい。

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「質を高め、安心して生活できる場に」── 横倉会長

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[横倉義武・日本医師会会長]
03_横倉会長20180402 日本介護医療院協会の設立に心からお喜びを申し上げる。武久先生の実行力に改めて感心している。日本慢性期医療協会が母体となって日本介護医療院協会をおつくりになったとのことだが、確かに介護医療院は医療と介護のちょうど中間に位置するような施設形態であると思う。

 今までも、「医療と介護の中間施設」という位置づけでさまざまな施設形態があった。老人保健施設もそうであったし、介護保険の中でさまざまな居住系のものもある。そういうカテゴリーがたくさんある中で、また新たな1つのカテゴリーができた。これをどう位置づけていくかが今後の大きな課題の1つになると思う。

 介護医療院が地域でどのような役割を果たすか。これは今後、各地域で地域包括ケアを進めていく上で1つの大きな課題になろう。急性期からさまざまな形態の病床、病棟、病院がある。その中で、いかに介護医療院の質を高め、そして地域住民の方が安心して生活できる場にしていくのか。これが日本介護医療院協会の大きな課題であろう。

 日本慢性期医療協会は、武久会長が非常にアクティブに動かれて、慢性期医療の質の担保をしっかりやっていただいた。武久先生の主導の下で、江澤先生がそのあとを継がれて頑張っていかれるのだろうと期待している。介護医療院は慢性期医療と生活の場の両方の性格を併せ持つ。どうか、介護医療院の質向上に努めていただくように祈念して、私のごあいさつとさせていただく。新しい協会の設立、おめでとうございます。

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「国民のための介護・医療の連携を」── 羽生田議員

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[羽生田俊・参議院議員]
04_羽生田議員20180402 日本介護医療院協会の設立おめでとう。現在、新しい厚生労働省のポストとして鈴木康裕医務技監がいらっしゃるので今後は以前のようなことはないだろうと思うが、厚生労働省が新しいことをやると、数年の間にはしごを外されるということが多々あった。

 今回は、このようなことが決してないように皆さま方でしっかりと介護医療院を守り、そして、国民のための介護・医療の連携をしっかりとつくっていかなければならないと思っている。

 新しくできるほうがいいものができると信じている。皆さま方のご協力で、この日本介護医療院協会が発展されることを祈念し、祝辞とさせていただく。本日は誠におめでとうございます。

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「介護医療院は急性期医療にも非常に重要」── 小山教授

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[司会:田中副会長]
 それでは、乾杯に移りたい。乾杯のご発声を、東邦大学医学部教授の小山信彌先生にお願いする。

[小山信彌・東邦大医学部特任教授]
05_小山教授20180402 こんばんは。大変ご高名なお2人の先生のあとで、なんとも役不足である。なぜ私がこの場にいるか。十数年前、日本病院団体協議会が発足したとき、武久会長から急性期医療と慢性期医療との連携についてご指導を頂いた。それ以来、救急や急性期の医療だけではなく、慢性期医療の勉強もしている。

 10年ぐらい前であろうか、私が救急医療の現場にいたころ、急性期病院での治療が終わった後の連携がスムーズにいかなかった。そのため、大学病院などの大きな病院で患者さんを抱えていなくてはならなかったが、ここ数回の改定で急性期と慢性期の連携がかなりスムーズになってきた。われわれはさらに救急医療に特化することができた。

 都会には独居の高齢者が多いため、在宅での療養がなかなか難しい。そこでどうしたらいいか。その解答といってもいいと思うが、介護医療院という考え方が出てきた。われわれ救急医療を担っている者は、さらに救急医療に特化した医療を提供できる。急性期、慢性期、在宅医療などの役割分担が、今後はさらに進むだろう。そんなことを思いながら、本日のシンポジウムを拝聴させていただいた。介護医療院が大きく発展することが、われわれ急性期医療にとっても非常に重要なことであると認識した。

 それでは、僭越であるが乾杯の音頭をさせていただく。本日設立された日本介護医療院協会が大きく発展すること、そしてまた本日ご列席の皆さまのご健勝を祈念し、乾杯。

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「協会への強い期待と発展を心から祈念」── 加藤厚労相

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[司会:田中副会長]
 加藤勝信厚生労働相がただいまご到着された。ごあいさつをお願いしたい。

[加藤勝信厚生労働相]
 皆さん、こんばんは。遅参をいたしまして、大変失礼した。本日、日本介護医療院協会の設立を祝した記念の会がこうして開催されますことを心からお喜びを申し上げたい。

06_加藤厚労相20180402

 地域包括ケアシステム強化法に基づいて平成29年から介護医療院の仕組みがつくられ、そしていよいよこの4月1日から介護報酬改定に伴って基準等がつくられて出発する、まさにそういう日に合わせて、この日本介護医療院協会が設立されたことは大変素晴らしい。心から御礼を申し上げたい。

 介護医療院は介護保険に基づくものでもあるし、医療保険に基づくものでもある。同時に、生活をどう支援していくのかという意味においても大変重要な機能を持つ。この介護医療院がこれからどううまく成長していくのか。それがこれからの介護と医療の連携、さらに言えば、日本のこれからの高齢化へどう対応していくかという大変大きなキーになってくると思う。

 そういった意味においても、それぞれの介護医療院が努力をしていただきたい。こうして皆さんが一緒になって頑張っていこうという気持ちがとても大切であると思う。介護報酬は3年ごとに見直しがあり、また制度の見直しも当然、今後の議論の中では出てくるだろうと思う。それに向けて、日本介護医療院協会の皆さま方のさまざまな意見を集約していただき、また、すくい上げていただいて、より良いものにつなげていただけると期待しているところである。

 日本介護医療院協会会長である江澤先生は、私の地元岡山県の先生であるということもあり、本日は何としても来なければいけないと思って、こうして参加させていただいた。そういった思いも込めて、日本介護医療院協会への強い期待と、そしてご発展を心から祈念し、私のごあいさつとさせていただきたい。本日は、本当におめでとうございます。

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「地域医療に貢献しつつ介護との両立を」── 自見議員

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[司会:田中副会長]
 参議院議員の自見はなこ先生がただいまご到着された。ごあいさつをお願いしたい。

[自見はなこ・参議院議員]
07_自見議員20180402 先生方、こんばんは。到着が大変遅れて申し訳ない。武久会長をはじめ、先生方の皆さまには大変お世話になっている。議員として1年半を過ぎ、右も左も分からない国会の中で、1日1日を大切に過ごしている。

 日本介護医療院協会は、日本慢性期医療協会の委員会に近い形と聞いたが、介護医療院に関する協会を立ち上げられたということで、大いに期待している。これもまた武久先生の強いリーダーシップの下で、今後、新しい展開がどんどん出てくるだろう。この領域は、最も私が学ばなければいけないことが多い領域であると思っている。

 療養病床をめぐるボタンの掛け違いから始まって十数年間、なかなか決着のつくことができなかった本件が、こういった形に落ち着いた。今後、どういう形で先生方が病床を転換し、地域医療に貢献しつつ介護との両立を図っていくのか、さまざまな難しい局面がこれからまさにやってくるのだろうと思っている。

07_自見議員(2)20180402

 20年前に介護保険制度が始まった当時から、さまざまな議論があった。介護保険がこのままの制度設計でいいものか、あるいは医療と介護のミックスというものを保険の中でもそろそろ提唱していくべき時期ではないかとか、あるいは家族に対するケアに関する給付の見直しも図られるべきではないかとか、さまざまな議論があり、今も残っていると思っている。2025年、そして2040年に向け、医師という職業も誇り高いものとして次世代に渡していくことも私の使命である。なかなか難しい宿題が山積ではあるが、一生懸命に取り組んでいきたいと思っている。

 また、今年の一番大きな課題の1つは、消費税をめぐる問題の抜本的解消だろうと思っている。夏過ぎぐらいには、本格的な議論の結果が見えるような形に持っていかざるを得ないと思っている。さまざまなご意見があろうと思うので、先生方のお知恵を頂きながら調整させていただきたい。引き続き、ご指導をよろしくお願い申し上げる。本日は誠におめでとうございました。

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「超高齢社会の中で、この制度を生かしていく」── 猪口会長

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[司会:田中副会長]
 全日本病院協会会長の猪口雄二先生がただいまご到着された。ごあいさつをお願いしたい。

[猪口雄二・全日本病院協会会長]
 遅れて申し訳ない。本日は、日本介護医療院協会の設立、大変おめでとうございます。心よりお喜び申し上げる。

08_猪口会長20180402

 介護医療院が4月1日からできるということだが、まだ細かいところが決まっておらず、都道府県でも受付がまだ始まってないような状況である。12年前から揉めに揉めてできた施設であるが、それを悪いほうにはとらず、今後の超高齢社会の中でどのようにこの制度を生かしていくかが非常に重要な問題だと思っている。

 われわれ全日病としても、会員病院の中で介護医療院を選ぶ場合が多くあると考え、全日病の中に介護医療院協議会という会内の協議会をつくって情報収集を始めている。ぜひ手を取り合って、良いものを日本全国に展開できるようにしたいと思っている。今後とも、お付き合いのほど、よろしくお願い申し上げる。

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「日本の医療と日本の介護をつなぐ要の役を」── 池端副会長

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[司会:田中副会長]
 日本慢性期医療協会の池端幸彦副会長より、中締めのごあいさつを頂戴したい。

[池端幸彦・日本慢性期医療協会副会長]
09_池端副会長20180402 本日は大変お忙しい中、この新しく生まれた、まだまだひよっこの小さな協会として生まれた日本介護医療院協会の設立記念祝賀会に多数のご参加いただき、深く感謝を申し上げる。

 江澤会長からもお話があったように、まさにこれからが勝負だと思っている。介護医療院は医療と介護をつなぐ施設であるが、それだけではない。日本の医療と日本の介護をつなぐ要の役をこれから担っていく。これからが試練である。

 ぜひ、今日お集まりの皆さま方の温かいご支援の下、江澤会長を中心として、日本介護医療院協会が日本慢性期医療協会から大きく羽ばたくことを心からご祈念申し上げ、そしてまた、ご来賓の皆さま方のご健勝、ご多幸、ご活躍をご祈念申し上げ、私の中締めのごあいさつとさせていただく。本当に今日はありがとうございました。今後ともどうかよろしくお願い申し上げる。

10_集合写真20180402
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                           (取材・執筆=新井裕充)

 



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