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「第6回高齢者医薬品適正使用検討会」 出席のご報告

Posted By araihiro On 2018年3月10日 @ 12:37 PM In 協会の活動等,審議会,役員メッセージ | No Comments

 平成30年3月9日、「第6回高齢者医薬品適正検討会」が開催され、池端幸彦副会長が構成員として出席いたしました。今回の検討会では、高齢者医薬品適正使用ガイドライン作成ワーキンググループで最終案としてとりまとめられた「高齢者の医薬品適正使用の指針(総論編)案」について検討されました。

 はじめに、同検討会の座長代理でワーキンググループ主査の秋下雅弘構成員(日本老年医学会副理事長)より、本指針案について、各学会による既存のガイドラインとの混同を避けるため、表題を「ガイドライン」から「指針」に変えていること、「多剤服用」の中でも害をなすものを「ポリファーマシー」と呼び、両者を使い分けていること、高齢者総合機能評価(CGA)の活用を推奨していること、本指針が医療現場で広く活用されるよう「国民的理解の醸成」という項目を設けていること、などのコメントがありました。

 構成員による意見交換では、勝又浜子構成員(日本看護協会常任理事)から、「医薬品の適正使用ということからすれば、本指針の利用を、医師、歯科医師、薬剤師にだけではなく、看護師や他職種にも求めるような言い回しにあらためていただきたい」との意見が出されました。

 この意見に関し、池端幸彦副会長は、「ワーキンググループ内でもその点が議論されたが、指針の総論編では、用いる専門用語をできるだけ一義的なものとし、まず、医師・歯科医師・薬剤師の理解を確実なものとした上で他職種との連携を進めていくということでほぼ理解が得られた経緯がある」と述べ、本指針の主たる利用者が医師、歯科医師、薬剤師とされた趣旨を確認いたしました。

 検討の結果、本指針の第一次利用者は薬剤の処方・調剤に直接介入する医師・歯科医師・薬剤師であることを前提として、看護師や他職種については、患者の服薬状況や症状の把握、服薬支援の観点から、「参考にすることも期待される」と記載することになりました。

 また、伴信太郎構成員(日本プライマリ・ケア連合学会理事)による「薬剤起因性老年症候群の主な原因薬剤には、認知機能の低下を惹起するカルシウム含有製剤と骨粗鬆症治療薬との併剤も挙げるべきである」との指摘について、池端幸彦副会長は、「指針の別添である『高齢者で汎用される薬剤の基本的な留意点』に骨粗鬆症治療薬の項目を追加し、そこに副作用等を書き込むほうがわかりやすいのではないか」と提案されました。

 本日の検討会の意見を反映した指針案は、パブリックコメント(意見公募)を経て、次回の検討会で再度検討されることになっております。

 意見交換の後に行われた倉田なおみ参考人(昭和大学薬学部社会健康学講座地域医療薬学部門教授)のプレゼンテーションでは、「そもそも薬が患者の体内に有効に入っているのか、配合変化を起こして薬が無駄になっていないか」などの注意喚起がなされました。
 

○第6回高齢者医薬品適正使用検討会の資料は、厚生労働省のホームページを参照してください。
 ⇒ http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000196916.html



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