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第136回社会保障審議会介護給付費分科会 出席のご報告

Posted By araihiro On 2017年4月1日 @ 8:11 AM In 会長メッセージ,協会の活動等,審議会 | No Comments

 平成29年3月31日、「第136回社会保障審議開会後給付費分科会」が開催され、武久洋三会長が委員として出席いたしました。議題は、下記の通りです。
 
 1.平成27年度介護報酬改定の効果検証及び調査研究に係る調査(平成28年度調査)の結果について
 2.平成27年度介護報酬改定の効果検証及び調査研究に係る調査(平成29年度調査)の実施内容について
 3.平成28年度介護従事者処遇状況等調査の結果について
 4.その他

◇武久洋三会長の発言
武久洋三会長平成29年3月31日 「平成27年度介護報酬改定の効果検証及び調査研究に係る調査(平成28年度調査)の結果」のうち「(1)通所リハビリテーション、訪問リハビリテーション等の中重度者等へのリハビリテーション内容等の実態把握調査事業(結果概要)(案)」の資料の中に、サービス利用後の変化ということで、状態がどのくらい向上したか、低下したか、あるいは変化がなかったか等の調査結果のグラフが出されている。他のサービスに関しては、このように利用前後の変化を示したデータは出ていない。医療では医者にかかれば良くなるのは当たり前であるが、介護保険の分野においては、介護サービスを受けて良くなるという考え方は一般的ではない。介護保険においても、サービスを受けて状態が改善する利用者や、要介護度が回復するケースがあるのだということを、皆様に理解していただきたい。

 私は介護認定審査会に委員として参加しているが、検討の中で、要介護度が下がり、状態が良くなったケースが出てくると、委員は皆残念がる。「状態が良くなれば要介護度が下がるので、今まで通りのサービスが受けられなくなるからかわいそう」と考えるからである。このように、要介護1であれば受けられたサービスが、要支援1だったら回数が減ってしまうので損になる、といった考え方は、本来の介護保険の意図からは外れてくるのではないか。今一度、介護保険を利用して良くなってもらうというマインドを立て直さねばならない。

 現状では、状態が悪くなると、すぐにターミナルや看取りの話になる。看取りは特養でも対応してくれる。救急車を呼ぶケースもあるが、これは死亡確認、死亡診断書作成のためである。救急病院側からすれば、すでに呼吸が止まっている人が運ばれてきてしまうことになるので、効率的な救急車利用に差し支える。看取りにおいては、救急車の使い方、ターミナルの定義、また誰がターミナルを判断するのか等、非常に難しい問題が多い。医師によって、ターミナルの判断も異なってくる。

 介護保険については、利用者の状態は改善しうるし、介護サービスの利用によって状態が良くなり、日常生活に戻っていけるのだというコンセンサスを作っていただきたい。

○第136回介護給付費分科会の資料は、厚生労働省のホームページに掲載されています。
 ⇒ http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000156443.html
 



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