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医療と介護の連携に関する意見交換(第2回)出席のご報告

Posted By araihiro On 2017年4月20日 @ 4:07 PM In 会長メッセージ,協会の活動等,審議会 | No Comments

 平成29年4月19日、「医療と介護の連携に関する意見交換(第2回)」が開催され、武久洋三会長が出席いたしました。同会議は、平成30年度の同時改定に向けて、中央社会保険医療協議会(中医協)および社会保障審議会・介護給付費分科会が具体的な検討に入る前に、それぞれを代表した委員が意見交換することを目的としております。今回は、「リハビリテーション」と「関係者・関係機関の調整・連携」の現状や課題について議論されました。

 社会保障審議会・介護給付費分科会の委員として出席した武久洋三会長は、急性期におけるリハビリの必要性やケアマネジャーを中心とした連携のあり方等について、以下の意見を述べています。
 

〔武久洋三会長の発言〕
◇ 標準的算定日数を超過した要介護者へのリハビリについて、幸野庄司委員(健康保険組合連合会理事)より、「平成18年度改定以来の懸案事項なので、平成30年度同時改定を機に完全に介護保険に移行すべきだ」とのご意見があった。中医協の支払側委員としては当然、支払いをできるだけ抑えたいのであろうが、問題はそれほど単純ではない。医療保険のリハビリと比較したときに、国民は介護保険のリハビリをどの程度信頼しているのか。この点をよく考える必要がある。

◇ 介護保険のリハビリには、現在の状態が悪くならないように維持するというイメージがあるが、患者は、少しでも回復したいという思いを抱いているものである。この思いをモチベーションとして訓練すれば、回復に向かうこともある。しかし、患者の早期の生活復帰を目指すためには、病気を発症した直後、急性期の段階から集中的にリハビリを行うべきであり、何よりも、急性期病院におけるリハビリ提供体制を充実させる必要がある。もし、急性期病院のリハビリ提供体制がまだ十分に備わっていないのであれば、リハビリが可能な次のステップに早く患者を移すべきである。急性期におけるリハビリが充実すれば、介護保険ではまさに、維持期や生活期のリハビリの役割を担えばよいことになろう。
脳血管障害の場合であれば、発症後1か月以内の弛緩性麻痺の状態のうちにリハビリを行えば高い効果が期待できる。しかし、1か月を経過し、関節が拘縮してからでは取り返しがつかなくなるおそれもある。これは医学的常識である。私は、日本の寝たきりの患者がアメリカの5倍もいる原因は、脳血管障害の患者がリハビリを受けることがないまま経過している期間があるためであると考えている。病気発症後すぐにリハビリを提供すれば、寝たきりの患者が減り、結果として、医療費や介護保険施設にかかる費用の抑制にもつながる。

◇ ケアマネジャーと医療機関関係者が会議(カンファレンス)を行うことについて、「退院・退所加算」「緊急時等居宅カンファレンス加算」が設けられているが、地域によっては交通手段も限られており、フェース・トゥ・フェースで会議を行うのがなかなか難しい。そこで、IT化の進展に伴い、テレビ会議の導入を提案したい。テレビ会議であればより頻回に会議を行うことができ、情報提供や情報共有も一気にスムーズになる。松本純一委員(日本医師会常任理事)から、「居宅介護支援においてケアマネジャーとの連絡が意外と取りづらい」とのお話しがあったが、ケアマネジャーにあらゆる業務が集中していることが原因の一つであろう。介護報酬上、ケマネジャー1人につき39件までサービスを提供できることになっているが、現実味があるとは到底思えない。この点からも、是非、会議(カンファレンス)のIT化を実現していただきたい。

◇ ケアマネジャーは、医療機関や医療関係職種等との連携において非常に多くの役割を担っている。しかし、「連携」による加算や指導料などの報酬は、ケアマネジャーにではなく、病院・施設側につくので、役割に見合った報酬が保障されているとは言えない。私はかねてより、主治医ならぬ主治ケアマネを提案してきている。1人の患者に1人の主治医がいるように、1人のケアマネジャーが患者の要介護状態に継続してかかわることを報酬上評価する仕組みがあれば、人材も育ち、地域における患者支援として最善なのではないか。

◇ 当院には歯科医師はいないが、後期高齢者の疾病治療には口腔内清拭が重要であると考え、各病棟に歯科衛生士を1人ずつ配置している。歯科医師ではなく、主治医の指示を受けた歯科衛生士による口腔ケアであるため、口腔衛生管理加算の対象とはならないが、その改善効果は目をみはるものがある。是非、歯科衛生士による口腔ケアを評価する口腔衛生管理加算について、歯科医師による指示だけでなく、医師による指示も認めていただきたい。

上記の武久洋三会長が主張する急性期におけるリハビリの充実については、賛意を示す見解として、松本純一委員(日本医師会常任理事)による次の発言がありました。

・ 武久洋三委員が主張する急性期におけるリハビリについて幸野庄司委員は、支払側委員としての立場上、急性期病院の平均在院日数を短縮したいという見方もあり、患者をできるだけ早く急性期から回復期に移していくのがよい、という意見だと取り違えているように思う。武久洋三委員が言われるのは、急性期においても早い段階からリハビリを開始するべきだということであって、急性期病院における治療を早く切り上げて患者を他に移すということではない。誤解のないようお願いしたい。

 2回にわたって開催された意見交換は今回で終了となり、委員から出された意見は、中央社会保険医療協議会(中医協)および社会保障審議会・介護給付費分科会の審議に反映されることになります。

○医療と介護の連携に関する意見交換(第2回)の資料は、厚生労働省のホームページに掲載されています。
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000162533.html

 



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