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「第2回全国在宅医療会議」 出席のご報告

Posted By araihiro On 2017年3月16日 @ 11:38 PM In 会長メッセージ,協会の活動等,審議会 | No Comments

 平成29年3月15日、「第2回全国在宅医療会議」が開催され、武久洋三会長が構成員として出席いたしました。議題は、下記の通りです。

 1.基本的な考え方について
 2.重点分野(案)について

 この日の会議では、各関係団体から

(1)在宅医療に関する医療連携、普及啓発モデルの蓄積
(2)在宅医療に関するエビデンスの蓄積

 上記2点についてプレゼンテーションがあったのち、意見交換が行われました。プレゼンテーションを行った団体が30以上にのぼったことについて、武久会長が「同じような目的を持った、似通った団体が多すぎる。これでは国民はどこに相談すればよいか迷ってしまう。ぜひ日本医師会が中心となって協力し合い、一体となった取り組みを組織していただきたい」という旨の発言をされると、他の構成員からも同意の声があがっていました。

◇武久洋三会長の発言
 在宅医療で必要とされるのはほとんどが慢性期医療ということで、我々日本慢性期医療協会では在宅医療のための取り組みを進めている。病院に入院する人は重症な人が多いが、重症者でも在宅で診て、さらにターミナルまで診るという方針の医師もいる。しかしそのためには、後方支援病院と診療所の連携が非常に重要になってくる。

 これまで、自院の都合で在宅からの入院を断ったり、反対に入院したらなかなか在宅に帰さなかったりといった非常に良くない事態が起こっていた。在宅医療に関しては、新しい常識を作っていかなくてはいけないだろう。今後は、診療所の医師と病院の医師との連携による指導のもと、訪問リハビリや訪問看護、それぞれがきっちり役割を果たすことが求められてくる。

武久洋三会長平成29年3月15日 日慢協では、「総合診療医認定講座(総合評価加算の該当研修)」を開講し、これまで1,000名以上の修了者を出してきた。他にも「医師のための総合リハビリテーション講座(回リハ病棟1体制強化加算の該当研修)」、「排尿機能回復のための治療とケア講座(排尿自立指導料該当研修)」といった研修会を開催している。看護師特定行為研修においてはすでに42名が修了しており、現在50名以上が受講中、4月からは第4期生の受講者を迎える。

 当協会では、他にも看護師のための認知症ケア講座や多職種向けの研修会、慢性期リハビリ学会等様々なプログラムを企画している。会員でなくても参加できるものばかりなので、多くの皆様にご参加いただきたい。

 本日、関係団体のプレゼンテーションをすべて聞いたところ、言いにくいが、似たような団体が非常に多いと思う。内容の区別もつきづらい。現実問題として、これでは国民が困ったときにどこに相談すればいいのか、迷ってしまうのではないか。それぞれの団体が、それぞれの取り組みを発表しているだけでは、会議にはならない。私自身、医療者ではあるが、正直なところ団体間の違いが分からない。

 全国組織で、どの都道府県にもあるのは、やはり日本医師会である。日本医師会の枠組みの中で、地域の在宅医療の知識や情報などを入手できるようにすれば、国民は、どこに頼ればいいのか分からなくても、とりあえず医師会に行けば安心という発想になるのではないか。

 このように申し上げるのは、皆さんで在宅医療を前に進めるために協力していきたいと考えるからである。開業医も高齢化が進み、なかなか往診が出来なくなってきている。一方、若い医師はやはり病院勤務が多い。厚生労働省は病床をだんだん減らしていこうという流れなのだから、在宅医療をきちんと整備することは喫緊の課題であるといえる。地域医療計画課が中心となり、実際に動けるような現実的な仕組みを作ってもらい、国民のためになるような改革を進めていただきたい。

○第2回全国在宅医療会議の資料は、厚生労働省のホームページに掲載されています。
 ⇒ http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000155149.html
 



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