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「第100回社会保障審議会医療保険部会」 出席のご報告

Posted By araihiro On 2016年11月19日 @ 10:45 AM In 会長メッセージ,協会の活動等,審議会 | No Comments

 平成28年11月18日、「第100回社会保障審議会医療保険部会」が開催されました。当会からは委員として武久洋三会長が出席いたしました。今回の主な議題は下記の通りです。
 
1.子ども医療費助成に係る国保の減額調整措置の在り方について

 平成28年3月に行われた「子どもの医療制度の在り方に関する検討部会」での議論を受けて、子どもの医療費助成に関する国保の減額措置の在り方について議論が行われました。

 現在、子どもの医療費の窓口負担は、未就学児は2割、就学後は3割負担とされており、各自治体ではそれぞれ、そこから独自に窓口負担を減免する制度を設けています。こうした自治体の助成による医療費の増加分については、自治体ごとに状況が異なってくるため、国保負担金を減額する措置が採られており、これらの減額措置の見直しについて議論が行われました。

武久洋三会長平成28年11月18日 地方自治体の少子化対策を支援する観点から、大筋では減額調整措置の廃止の方向性で議論が進みましたが、助成にあたって年齢制限なく全ての子供を対象とするか、未就学児に限定するかという対象範囲の設定については委員の間で意見が分かれました。また、助成を行うにしても、不要な受診の増加を防ぐために一定の窓口負担は残すべきである、といった意見も出されました。

 この問題について武久会長は、「医療現場でも、高齢患者に比べて子供の患者は非常に少ないと感じる。タックスイーターである高齢者の数は増加する一方、タックスペイヤーの子どもの数は減っていく。そうした状況下で、若い女性の出産のインセンティブを下げるようなことは、国としてしないほうが良いのではないかと思う。この制度の見直しは少子化対策に寄与するものであるという点についてよくお考えいただき、議論を進めていただきたい」と意見を述べられました。
 

2.「高額介護合算療養費」の見直しについて

 先の医療保険部会では、世代間の公平と応能負担を求める観点から「高額療養費制度」の見直しについて議論が行われています。これを受け、1年間の医療費と介護費の合計が一定額を超えた場合に自己負担を軽減する制度である「高額介護合算療養費制度」についても見直しを行うかどうかが議論され、「高額療養費制度」と同様の観点で見直しを求める方向で意見がまとまりました。
 

3.「かかりつけ医の普及の観点からの外来時の定額負担」

 現在、医療のフリーアクセスを守りつつ、限りある医療資源を有効活用するために、大病院の外来は紹介を基本とし、一般的な外来受診はまず「かかりつけ医」に相談する、という方式の普及が図られています。このかかりつけ医の普及のため、かかりつけ医以外の外来を受信した場合に定額負担を求めてはどうか、という案についても検討が行われました。
 
 委員からは、かかりつけ医の定義が不十分である、議論のゴールが見えず将来像が示されていない、などの意見が出され、議論には時間が必要であるという見解が共有されました。
 



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