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第91回社会保障審議会医療保険部会 出席のご報告

Posted By araihiro On 2015年11月21日 @ 10:32 AM In 協会の活動等,審議会,役員メッセージ | No Comments

 平成27年11月20日、「第91回社会保障審議会医療保険部会」が開催され、当会からは委員として中川翼副会長が出席いたしました。
 
 前回に引き続き、医療保険部会における平成28年診療報酬改定の基本方針について意見交換と文言の修正が行われました。委員からは、医療安全の観点から見た医療従事者の勤務状況の改善や、「かかりつけ医」について医療・介護連携の関係を示すような表記とすること、ICT技術による医療データの活用を推進することなどを求める意見が述べられました。 
 
 また、残薬や多剤、重複投薬を減らすための取り組みについても盛んな意見交換が行われ、「前回の診療報酬改定で行われた抑制的な改定では効果が不十分であり、多剤投与の方ほど残薬も多いというデータもあるため、適正化のために多剤という表記を残すべき」とする意見や、「多剤投与それ自体が悪というわけではなく、医学的に不適切な多剤投与が悪なのであり、かかりつけ医による適切な管理が必要」などといった意見が委員から述べられました。
 
 中川副会長はこの問題について触れ、「慢性期医療において多剤投与は非常に大きな問題。急性期病院から患者さんが来た場合、各臓器別の疾患ごとに薬剤を処方されており患者さんによっては15剤もの薬剤を処方されている方もおり、調節が難しい場合もある。本当にその薬剤に効果があるのかを十分に検証するようにしなければ薬ばかりが増えていってしまう。特に経鼻経管栄養や胃ろうなどは、患者さんが直接嚥下するわけではないので、薬剤の重みが患者さんに認識されないということもある。長期に渡る患者さんには、多剤投与の管理を徹底することが重要と認識している」と意見を述べられました。
 
 また、高齢者自己負担、かかりつけ医の普及の観点からの外来時の定額負担といった、患者負担の在り方についても議論が行われました。委員からは、自己負担増加が受診抑制に繋がることへの懸念や、現役世代の負担との兼ね合いを鑑みた議論を求める声など、慎重な意見が述べられました。
 



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