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平成27年度「第5回入院医療等の調査・評価分科会」 出席のご報告

Posted By araihiro On 2015年7月17日 @ 7:48 PM In 審議会,役員メッセージ | No Comments

 平成26年7月16日、「平成27年度第5回診療報酬調査専門組織 入院医療等の調査・評価分科会」が開催され、池端幸彦副会長が委員として出席いたしました。
 
 本日の議題は、下記の3点です。

 1.急性期入院医療について
 2.退院支援に係る取組について
 3.入院中の他医療機関の受診について

◇池端幸彦副会長の発言
*急性期の医療・看護必要度のA、B項目の評価が何を根拠に決定されているか、いまひとつはっきりしないように感じる。たとえば、あらかじめ、術後何日間まではこの点数、救急搬送の場合はこの点数、というように何らかの目安を定めておけばいいように思う。やはりその際にも、目安の決定の根拠となるようなデータは必要だろう。
 急性期入院医療の重症度、医療・看護必要度についてということだが、慢性期医療ではこれまで、医師や看護師がどれだけその患者に関わっているかという1分間タイムスタディ調査を行うことで、重症度の評価をしてきた。急性期でもそうだと思うが、データをとったのが10年以上前ということなら、新たにタイムスタディを行ってもいいのではないか。

看護必要度

*一般病棟、ICU、HCUで、重症度、医療・看護必要度のB項目の7つの項目を統一しようという論について、私も賛成である。そして、可能なら、療養病床のADL評価も加えた形で統一していただくようお願いしたい。
ADL評価の項目は、重症度、医療・看護必要度のB項目とよく似ているので、不自然なことではない。一人の患者がICU、一般病棟、療養病床と病床を移動していくことはよくあるので、どの病床区分でも同じ評価基準を用いることができれば患者の状態の変化が分かりやすい。A項目が低くてB項目が高いといった病態の患者であれば、療養病床でも受け入れられることが多い。一つの評価基準を用いることで、患者の移動がスムーズに運ぶと期待する。

*平成27年度介護報酬改定で、生活行為向上リハビリ実施加算が新設された。これは、通所リハビリ事業所が利用者の生活向上を目標に盛り込んだリハビリを計画、実施し、最終的には利用者がその事業所を「卒業」できるよう促がす取組に、高い点数をつけて評価するものである。これは、退院の取組に診療報酬で点数をつけるといった、行為というポイントにのみ着目する、現行の「点」の支援ではなく、流れを評価した「線」の支援といえるだろう。
 退院支援というのは、入院前から始まっている。診療報酬でも、入院時、入院中の退院支援、退院前、退院後と継続したカンファレンスを行い、退院後の患者の状態を確認するという流れを評価する加算があってもいいのではないかと思う。

*入院中によその医療機関を受診すると、特定入院料の包括入院料を算定しているケースでは、所定点数の7割も引かれてしまうことになる。事務局の説明では、この7割という数字に根拠はないということだが、それならば今一度、システム的な観点から考え直してほしい。
 たとえば、療養病床で長期にわたり入院している患者が急性の疾患にかかり、入院している病院に該当の診療科がないといった場合、他院の外来にかかることになる。だが、なぜこの受診で慢性期医療の入院料が減算されねばならないのか。入院料が包括になっているのは、あくまで慢性期医療の領域においてであり、突発的に起こった骨折や外傷といった急性期の疾患は含まれないはずである。
 さらに、入院中に他の200床以上の病院を1回受診すると、そこでの診療報酬は1,500点を超える。たった1度の外来受診で1日の入院単価を超えるという外来機能の包括化のシステムには納得しがたい。

減少される点数

○平成27年度第5回診療報酬調査専門組織 入院医療等の調査・評価分科会の資料は、厚生労働省のホームページに掲載されています。
 ⇒ http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000091647.html
 



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