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平成27年度「第3回入院医療等の調査・評価分科会」 出席のご報告

Posted By araihiro On 2015年6月20日 @ 11:03 PM In 審議会,役員メッセージ | No Comments

 平成27年6月19日、「平成27年度第3回診療報酬調査専門組織 入院医療等の調査・評価分科会」が開催され、池端幸彦副会長が委員として出席いたしました。
 
 本日の議題は、下記の3点です。

1.地域包括ケア病棟入院料について
2.総合入院体制加算について
3.医療資源の少ない地域に配慮した評価について

◇池端幸彦会長の発言

1.地域包括ケア病棟入院料について

資料018

池端副会長
*自宅からの入院患者の割合が12%と低い現状を、どう考えるべきかが問題である。地域包括ケア病棟には、自院・他院の急性期から患者を受けて在宅に帰していく機能、そして在宅から入院してくる患者を受け入れて出来るだけ早期に再び帰していく機能という、両方向の役割がある。よって、在宅から受ける患者が12%というのは非常に少なく思われ、これから対応していくべき機能だろう。
また、始めから退院の目途が立ちそうな患者ばかりをわざと選んで受け入れるようなケースが出てくるのも、やや問題ではなかろうか。確かに、骨折・外傷等の疾患によりリハビリテーションが必要な患者というのは、地域包括ケア病棟の運営においては扱いやすい患者像だろう。従って現状の地域包括ケア病棟において、骨折・外傷の患者の入院が多いのが間違いだとは言わないが、今後は本来の地域包括ケア病棟の在宅・生活復帰支援の機能をフォーカスし、加算も含めてそこにどういったインセンティブをつけていくべきかも考えねばならない。

資料036

*地域包括ケア病棟では手術がほとんど行われていなかったというデータが出ているが、現時点で手術料はすべて包括なので、あえて(当病棟では)やらないということだろう。
現在は療養病床でも手術が出来高算定できることを考慮すれば、地域包括ケア病棟も手術を包括から外してよいのではないか。実際に手術を行う患者の入院が増えるかどうかは別としても、必要に応じて手術が可能ということで、安心して亜急性期の患者を入院させることにつながるのではないか。

2.総合入院体制加算について

*総合入院体制加算1の算定要件である全身麻酔の手術件数年間800件以上や、放射線治療年間4000件以上、化学療法年間4000件以上等を、私が病院を経営している県人口80万人の福井県のような地方と、人口が多い都市部とで同等に行うのは難しい。総合入院体制加算2を算定する医療機関のうち全体の5%、15病院程度が実績要件をまったく満たせていなかったのは確かに問題であるが、地域ごとの違いについても考慮してほしい。
要件を満たしていなかったということで総合入院体制加算2の算定を取り上げたら、その地方から総合病院がなくなってしまったということは避けるべきである。地域差ということにも着目して、十分検討してほしい。

3.医療資源の少ない地域に配慮した評価について

資料125

*患者の流出率が高いのは、その地域に医療資源が少ないから仕方なく流出するということだろう。反面、地域ごとの医療資源の違いという観点で考えると、流出率の高低だけでは分からない面がある。よって、医療資源の少ない地域を算出するための要件として、これまでの「患者流出率20%未満」が撤廃され、今後は患者流出率を問わない方向性には賛同する。

○平成27年度第2会診療報酬調査専門組織 入院医療等の調査・評価分科会の資料は、厚生労働省のホームページに掲載されています。
 ⇒ http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000089289.html
 



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