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第82回社会保障審議会医療保険部会 出席のご報告

Posted By araihiro On 2014年10月16日 @ 10:18 AM In 会長メッセージ,審議会 | No Comments

 平成26年10月15日、厚生労働省にて「第82回社会保障審議会医療保険部会」が開催され、当会からは委員として武久洋三会長が出席いたしました。
 
 今回は、療養の範囲の適正化・負担の公平の確保をテーマとし、主な内容として、紹介状なしで大病院を受診する場合の患者負担、入院時療養費・食事療養費、標準報酬月額の上限引き上げについて、の3項目について検討が行われました。
 
 紹介状なしで大病院を受診する場合の患者負担は、フリーアクセスを守りつつ医療資源の効率的な運用を図る観点から、大病院の外来を、紹介患者を中心としたものとしていくために検討されている施策です。「大病院」の定義や、初診だけでなく再診も対象とするか、定額負担の金額、救急患者等のやむを得ない場合に対して定額負担を求めるか否か、といった内容について検討が行われました。
 
 入院時療養費・食事療養費については、在宅療養との公平性の観点から、入院患者の給食費用について一定の金額の自己負担を求めるかどうかについて検討が行われました。大筋では自己負担の引き上げを含めた見直しについてやむを得ないものとしつつも、低所得者への配慮などについても考慮を求める意見も出されました。武久会長は議論の中で、特別食加算の治療食の項目について触れ、治療食の定義が定められた時期の想定と、現在の患者の病状は変化している可能性があるため、制度が制定された時期を明確化してほしいと要望を述べられました。
 
 健康保険の保険料の基準となる標準報酬月額についても検討が行われました。標準報酬月額の上限額について等級を更新し、現行の121万円から、145万円に引き上げる案が厚労省側から提案されました。
 
 また、医療費の適正化の観点から、個人や保険者への意識向上のための取り組みについても検討されました。個人への取り組みについては、一定要件を満たした世帯への手当金等の現金給付について議論が行われましたが、委員からは懸念の声が上がりました。
 武久会長は、保険者への医療費適正化の取り組みについて、特に残薬の管理について触れ「高齢者が複数の薬剤を三ヶ月処方されても、しっかりと規定量を飲めていないことがある。一方で医療側は正常に服用が行われていることを前提として医療を行うため、残薬は結果として多くの医療費の無駄を招くものであり、現場としても減薬の努力を行っていきたい」と述べられました。
 



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