- 日慢協BLOG —- 日本慢性期医療協会(JMC)の公式ブログサイト - http://manseiki.net -

第75回社会保障審議会医療保険部会 出席のご報告

Posted By araihiro On 2014年5月20日 @ 7:30 PM In 会長メッセージ,審議会 | No Comments

 平成26年5月19日、「第75回社会保障審議会医療保険部会」が開催されました。当会からは委員として武久洋三会長が出席いたしました。
 
 今回の会議から、前回提示された「持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革の推進に関する法律」通称プログラム法にもとづく医療保険制度に関連する事項について本格的な議論が開始されました。前回の会議で列挙された検討事項の中で、まず「市町村国保」「被用者保険」「高齢者医療制度」の3点が議論の俎上に上がりました。
 
 現在、国が推進する社会保障制度改革にもとづき、国民健康保険の主体(保険者)を都道府県・市町村に移行する動きが進んでいます。国民健康保険は国民皆保険の最終的な支え手となっている制度ですが、その性質上、加入者の年齢構成が高い、所得水準が低い、市町村間での保険料格差が大きいといった諸問題を抱えているため、移行にあたってこれらの問題の是正が求められています。
 
 また、国保と並んで国民皆保険を支える制度である被用者保険についても、制度の説明と課題の提示が行われました。高齢者医療への拠出負担増加による財政状況の悪化と、その対処が喫緊の課題となっています。
 
 保険制度に関連して、高齢者医療制度についても取り上げられました。これは高齢者医療費の増大に伴う保険料負担や世代間・世代内格差の是正、これまで不明瞭であった高齢者の負担割合を明確化することなどを目的とし、負担能力に見合った患者負担の見直し、総報酬割の導入による保険者間の負担調整などを行うための制度です。
 
 上記3点の制度につき現状報告と課題の整理が行われた後、各委員から意見が募られ、盛んな議論が行われました。
 
 武久会長は「対症療法的な議論を行うのも医療保険部会の役割であるが、根治療法を行わぬままでは、各関係者の各論的な議論の繰り返しとなってしまう。少子高齢化という社会構造の変化に対して、少子化対策のような抜本的な対策を政策として実行していくことを求め、問題提起を行っていくことが必要」と述べられました。
 
 次回も同議題について、引き続き議論が行われる予定です。
 



Article printed from 日慢協BLOG —- 日本慢性期医療協会(JMC)の公式ブログサイト: http://manseiki.net

URL to article: http://manseiki.net/?p=2772

Copyright © 2011 Japan association of medical and care facilities. All rights reserved.