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第68回社会保障審議会医療保険部会 出席のご報告

Posted By araihiro On 2013年10月8日 @ 8:21 PM In 会長メッセージ,審議会 | No Comments

 平成25年10月7日、「第68回社会保障審議会医療保険部会」が開催され、武久洋三会長が委員として出席されました。
 今回の部会の議案は、高額療養費の見直しについてです。高額療養費の所得区分については、8月6日の社会保障制度改革国民会議報告書において、「よりきめ細やかな対応が可能となるよう細分化し、負担能力に応じた負担となるよう限度額を見直すことが必要」とされ、同21日、低所得者の負担に配慮しつつ70~74歳の医療費自己負担率の見直しと併せて検討することが閣議決定されていたところです。
 
 厚労省から示された見直し案には、「負担能力に応じた負担」と「保険料への影響」のどちらにより配慮するかという観点から3つの案がありました。いずれの案も、低所得者の負担を軽減するものである一方、上位所得者の負担が増えるものであるため、協会けんぽの給付費増などにより、保険財政の圧迫を危惧する声が上がりました。また、保険制度の中での見直しであれば保険者への財政影響をゼロにはできないのは当然の帰結なので、高齢者医療制度の見直しを先に進めるべきではないか、という意見もありました。さらには、8月21日に閣議決定された社会保障制度改革に盛り込まれた低所得者対策は、高額療養費の見直しだけで実現できるとは考えられないので、社会保障と税の一体改革の文脈の中でより具体的に捉え直すべきではないか、という厳しい指摘もありました。
 
 しかし最終的には、公費の負担については予算編成に関わる問題であることから、遠藤久夫部会長が「多数のご意見をいただいたことを真摯に受け止め、年末予算編成に向けてできるだけ反映していきたい」と委員の理解を求め、今回の見直し案をたたき台として検討が進められることになりました。
 
 武久洋三会長は、70~74歳の患者自己負担を1割から2割とした場合の保険料影響が、平成31年度には990億円の減になると示された試算について、「消費税率の引き上げを考慮した見込みなのか。どちらにしても、現場の感覚からすれば、患者負担が1割から2割になったとしても、高齢者が受診を控えるようになるとは到底考えられない」と述べ、保険者負担の試算について大きな疑問を投げかけております。
 
第68回医療保険部会 出席のご報告



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