同一建物減算を適用しない選択肢も ── 田中常任理事、介護給付費分科会で

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20260723_介護給付費分科会

 令和9年度介護報酬改定に向けて「人口減少・サービス需要の変化に応じたサービス提供体制の構築」を議題とした厚生労働省の会合で、日本慢性期医療協会の田中志子常任理事は「地域により通所・訪問事業所が減少しているためサービスが集中せざるを得ないといった事情が確認できた場合には同一建物減算を適用しないという選択肢があってよい」と述べた。

 厚労省は7月23日、社会保障審議会(社保審)介護給付費分科会(分科会長=岩村正彦・東京大学名誉教授)の第261回会合を開催し、当会から田中常任理事が委員として出席した。

 厚労省は同日の分科会に「人口減少・サービス需要の変化に応じたサービス提供体制の構築」と題する資料を提示。その中で、▼配置基準の弾力化、▼包括的な評価の仕組み、▼中山間地域等に対する加算──について論点を挙げ、委員の意見を聴いた。
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01スライド_資料目次

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 田中常任理事は、地域の実情に応じて報酬や減算を柔軟に見直し、国・都道府県の支援と広域的なサービス運用によって介護提供体制を守るべきとの考えを示した。田中常任理事の発言は以下のとおり。

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需要の変化に応じたサービス提供体制について

[田中志子常任理事]
 私からは通して2つ意見を申し上げたいと思います。1つ目は、これまで申し上げていたとおり、通所・訪問サービスの移動ならびにキャンセルの取扱いについては、スタッフがそのサービスを始めた時間から報酬が支払われるべきであろうと思います。

 現行のように通所リハビリの施設に到着してからを利用時間とするのでは、中山間地域はより長時間の送迎がボランティアになり、ドタキャンになっては事業所が一方的に負担を背負っています。

 ヘルパー、訪問看護においても、独居、老老世帯、認知症の方の場合、約束の時間に出かけてしまっていて、サービスが提供できないことも少なくありません。空振りの際の費用は全く保証がありません。ここは、10ページにあるような包括的報酬の仕組みへの変更に賛成です。
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 また、中山間・人口減少地域においては介護保険創設時からスマートタウン構想というように集住化を予見されていました。しかし、有料ホームについては一部の不適切な運営をする事業所の影響を受けて、46から47ページのように明らかになった中山間地域で真面目に頑張っている良質な有料ホームさえ同一建物であれば囲い込み扱いになっているように感じます。

 しかし、集住せざるを得ない高齢者、例えば、まさに今議論されている地域の、より人口密度が低いところの独居・老老世帯では、夏は近年の温暖化により、山間地でも在宅熱中症、あるいは冬季の雪による閉じ込めの課題など、地域内での住み替えを余儀なくされている一方で、高齢者が賃貸住宅を借りることは断られることが多く、介護サービス導入時間以外の緩やかな見守りの必要性を含めると、誰かと同居するという形態が取れる有料ホームは有用です。

 さらに、地域により通所・訪問事業所が減少しているため、サービスが集中せざるを得ない、こういった事情が確認できた場合には同一建物減算を適用しないという選択肢があってよいと思います。
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 また、中山間・人口減少地域の行政体力を考えたときに、事業所だけでなく市町村が20ページにある地域への手挙げを躊躇しているうちに介護事業所がギブアップしてしまうというようなことがないように、市町村によるモラルハザードが出ないよう、国や都道府県は強力な支援をする用意をしてほしいと思います。

 また、市町村の負担を軽減することができるのであれば、隣接する地域の介護サービスについては診療圏域同様に市町村をまたぎ、広域運用などの仕組みを導入する必要があると思います。以上でございます。

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