介護人材対策、「幅広い関係者の継続的参加を」 ── 鉄村常任理事、介護保険部会で
2027年4月から開始する第10期介護保険事業計画の基本指針(案)が示された厚生労働省の会合で、日本慢性期医療協会の鉄村信治常任理事は、介護人材対策の一環である地域プラットフォームの構築に期待を込め、「医療機関や介護福祉士養成校、職能団体、行政など、介護人材の養成から就労、定着まで幅広い関係者に継続的に参加してほしい」と述べた。
厚労省は6月29日、社会保障審議会(社保審)介護保険部会(部会長=野口晴子・早稲田大学政治経済学術院教授)の第135回会合を開催し、当会から橋本康子会長の代理として鉄村常任理事が出席した。
厚労省は同日の部会に「基本指針の構成」、「基本指針(案)」などを示し、委員の意見を聴いた。鉄村常任理事は人材確保策について意見を述べた。
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基本方針(案)では、「都道府県が設置主体となって、令和八年の社福法等改正において新設された介護人材確保に関するプラットォームを構築するとともに、同改正において新設された生産性向上等の取組の促進を図るための協議会を構築することが必要」としている。
【鉄村信治常任理事の発言要旨】
介護人材確保について述べる。資料2-2(基本指針案)15ページ。今回、新たに都道府県が主体となる介護人材確保プラットフォームが位置づけられたことは大変重要な取組であると考えている。
今後は、各都道府県で協議会等の設置を含めて具体的な運営が始まることになる。ぜひ、介護事業者だけではなくて医療機関や介護福祉士養成校、職能団体、行政など、介護人材の養成から就労、定着まで幅広い関係者に継続的に参加してほしい。そして、具体的な施策につながる実効性のある場としていただきたいと思う。
また、都道府県によって取組に差が生じないように、国においても運営の考え方や好事例などを積極的に共有していただいて、各地域の取組を後押ししていただくことを期待している。
このほか、同日の部会では「特定地域(中山間・人口減少地域)の考え方」について議論した。鉄村常任理事は「新たに対象となる地域については、人口指標だけでは地域の実情を十分に反映できない場合もある」と指摘し、今後の課題を提示した。
【鉄村信治常任理事の発言要旨】
既存の特別地域加算あるいは離島等相当サービスの対象地域を基本としつつ、新たに今回、75歳以上人口密度あるいは人口などの客観的な手法を用いて対象地域を整理するという考え方は一定の合理性があると考える。一方で、新たに今後対象となる地域については、人口指標だけでは、なかなか地域の実情を十分に反映できない場合もあるのだろうと思う。
資料では、事業所が僅少であること、あるいは事業所が廃止を検討しているなど、サービス基盤の維持が困難な地域についても対象とするという考え方が示されているが、その具体的な判断について、今後の運用が重要になる。例えば、同じ人口規模であっても介護サービスの提供状況や事業者数、医療・介護との連携体制などは地域によって大きく異なる。
そのため、新たな対象地域の指定に当たっては、今回の人口指標を基本としながらも、都道府県が地域の介護サービス提供体制などを総合的に勘案できるような仕組みとしていただくことが重要であると考えている。また、その際に、都道府県間で判断に大きな差が生じないように国からも一定の考え方や運用の目安を示していただいて一層周知していただければ、制度の公平性、透明性の確保につながるものと考える。
それから、資料では、人口構造の変化に応じて地域類型が変わり得ることが示されている。いったん指定された地域をどのようなタイミングで見直していくのかについては、現時点では明確ではないように感じた。これは都道府県の判断になるのだろうと思うが、今後、地域の状況が変化していくことから、例えば、介護保険事業計画の見直しなどのタイミングに合わせて、定期的に対象地域を検証して、必要に応じて見直すような仕組みも今後検討していただければと思う。機械的にこの指標を乱暴に当てはめることなく、十分に地域の状況を勘案して進めていただきたい。
2026年6月30日


