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医療介護連携が進むような後押しを ── 田中常任理事、介護給付費分科会で
Posted By araihiro On 2026年3月31日 @ 1:57 PM In 協会の活動等,審議会,役員メッセージ | No Comments
令和6年度介護報酬改定に関する調査結果が示された厚生労働省の会合で、日本慢性期医療協会の田中志子常任理事は医療と介護の連携について病院の費用負担などに言及し、「連携がさらに進みやすくなるような後押しが必要」と述べた。
厚労省は3月30日、社会保障審議会(社保審)介護給付費分科会(分科会長=田辺国昭・東大大学院法学政治学研究科教授)の第255回会合を開催し、当会から田中常任理事が委員として出席した。
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厚労省は同日の分科会に、令和6年度改定に関する4項目の調査結果を示したほか、「協力医療機関連携加算に係る要件変更」、「やむを得ない事情における人員欠如に係る特例的な取扱い」など3項目を報告し、委員の意見を聴いた。
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今回示された調査は、「令和6年度介護報酬改定の効果検証及び調査研究に係る調査」(令和7年度調査)で、「高齢者施設等と医療機関の連携体制及び協定締結医療機関との連携状況」(資料1-1)、「介護現場における生産性の向上等を通じた働きやすい職場環境づくり」(資料1-4)など4項目。
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このうち「1-1」の結果によると、連携先の医療機関を定めている介護施設では「自施設の車両」による搬送の割合が高い状況が示された。
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また、要件を満たす協力医療機関を定められない要因については、「費用負担」の問題が挙げられた。4施設へのヒアリングでは、「定期的な会議を誰がどのように実施するのか、また内容について決まりがなく、運用面についての検討が負担」との声が出ている。
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調査結果を踏まえ、田中常任理事は「施設高齢者の救急車搬送数の結果を把握する必要があるのではないか」、「一層連携が進みやすくなるよう、通知などの後押しが必要」と述べた。
【田中志子常任理事の発言要旨】
今後の懸念として2点、また1点は意見、お願いを申し上げたい。まず「1-1」の29ページ。診療報酬で救急車搬送数が算定に関わるようになる。これらが高齢者の救急搬送について施設保有車で移動することも可能な軽微な病状の利用者への影響がないよう配慮し、高齢者救急が正しく行われるよう関係機関に求め、本末転棟な事態が起こっていないかどうか、確認が必要ではないかと思う。新たな地域医療構想を考えて定期的に行われている中医協と介護給付費分科会の医療と介護に関する合同会議などで一定の時間が経過した後に、施設高齢者の救急車搬送数の結果を把握する必要があるのではないかと懸念している。
また、37ページ。ごく一部だと思うが、医療と介護の連携が進まない理由として費用負担が発生するという記載がある。医療と介護の連携は国から義務付けられる連携であり、連携先病院側がこの件について一方的に費用を請求することが減り、一層連携が進みやすくなるよう、支払いは必須ではないなど通知などの後押しが必要となると考えている。
また、「1-4」のテクノロジーについては先ほど来、東委員等からもお話があったように、全ての施設に対するランニングコストの支援と、小さな事業所は導入についても大変な負担を生じているので、より一層の支援をお願いしたい。
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議題2では、「協力医療機関連携加算に係る要件変更」について報告があった。令和8年度の診療報酬改定では、「協力医療機関と介護保険施設とで行うカンファレンスの頻度について、有機的な連携体制を保ちつつ業務効率化を図る観点から、ICTによる情報共有を行う場合は年1回、ICTによる情報共有を行わない場合は原則年3回に見直す」としている。
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厚労省の担当者は、前回の同時改定や令和8年度診療報酬改定での対応などを紹介した上で、「協力医療機関と介護保険施設等とで行う定期的な会議の開催頻度は、令和8年度診療報酬改定と同様の開催頻度とし、ICTによる情報共有を行う場合は年1回、ICTによる情報共有を行わない場合は原則年3回へと見直す」と伝えた。
田中常任理事は「費用の支援、ベンダー等への指示、電子カルテなどに関する規制緩和とあわせて、どうすれば連携しやすいか、ぜひ一緒に考えてほしい」と要望した。
【田中志子常任理事の発言要旨】
病院側の立場から発言する。病院側としても医療介護連携に関するICTによる情報共有が必要なことは重々わかっており、また切望するところである。しかし、電子カルテと介護記録のベンダー間の連結費用について度を超える負担があること。また、情報を共有するためにさまざまな制度のハードルがあることから、実現したくてもなかなか連携できないのが現状である。費用の支援、ベンダー等への指示、電子カルテなどに関する規制緩和とあわせて、どうすれば連携しやすいか、ぜひ一緒に考えていただけるよう強くお願いしたい。
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議題3では、「やむを得ない事情における人員欠如に係る特例的な取扱い」について報告があった。
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厚労省の担当者は、人員基準欠如減算に関する分科会での意見や令和8年度診療報酬改定での対応を紹介した上で、「介護老人福祉施設における適用の例」(規定イメージ)を提示。「足元の人材不足の状況等も勘案した緊急的な対応として、人員基準の欠如減算については診療報酬等の取扱いと足並みを揃えた取扱いをしたいと考えている」と伝えた。
具体的には、「突発的で想定が困難な事象によりやむを得ない事情が生じ、人員欠如が発生した場合は、ハローワークの活用等により職員の確保に係る取組を行っている事業所・施設について、1年に1回に限り、3か月を超えない期間は、介護給付費の減額を猶予する」としている。
厚労省の担当者は「診療報酬での取扱いと同様に本年6月から適用することを想定しており、できるだけ速やかに通知等を発出させていただきたい」と述べた。
田中常任理事は有資格者の産休等の場合について質問。厚労省の担当者は「具体的には個別に相談させていただきたいが、規定ぶりは医療側に揃えるような形を想定している」と答えた。
【田中志子常任理事】
人員数だけでなく、算定に必要な有資格者の産休・育休、病休などの一時的不在についても他者がすぐには取得できない資格もあり、同様の措置が必要と思っている。これを人員欠如と同様に読み替えてよいかどうか質問する。もし読み替えてよいということであれば、しっかりと通知をしていただきたい。
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【厚労省担当者】
規定ぶりについては、資料3に現時点でお示しをしている。質問の件はQ&Aの「突発的で想定が困難な事象によりやむを得ない事情」にどこまで入るかということだが、「職員や家族の突発的な体調不良等により1か月を超える不在が見込まれる場合」や「職員の自己都合による急な離職等が複数重なった場合」をまずは想定している。
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【田中志子常任理事】
人数が足りていても、その資格者がいない場合は同じように考えているということだろうか。
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【厚労省担当者】
具体的なところについては個別にご相談をさせていただければと思うが、規定ぶりとしては医療側に揃えるような形を想定している。
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