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災害時の連携強化に関する報告書がまとまる ── 安藤常任理事が出席

Posted By araihiro On 2026年3月27日 @ 11:11 AM In 協会の活動等,審議会 | No Comments

 災害時の保健・医療・福祉分野のさらなる連携強化に向け、厚生労働省は3月26日の検討会で報告書をまとめた。厚労省大臣官房危機管理・医務技術総括審議官の佐々木昌弘氏は「現場が主役であり、国は後方から支えるという考え方のもと、皆様の活動がより円滑に行えるよう調整機能を強化していく方向性をお示しいただいた」と謝意を表した。

 厚労省は同日、「災害時の保健・医療・福祉分野の連携強化検討会(成果報告会)」(座長=尾島俊之・浜松医科大学医学部教授)を開催し、関係団体の立場として、当会からは安藤正夫常任理事(金上病院院長)が出席した。

 この検討会は、能登半島地震への対応を踏まえ令和7年11月に設置。9人の構成員のほか、厚労省医政局や老健局などの各課や内閣府の担当者がオブザーバーとして参加し、保健・医療・福祉分野の関係団体もオンラインで出席した。開催要綱では「災害が発生する以前の平時からの保健医療福祉活動チーム間における連携体制構築に向けたあり方等を検討することを目的」としている。
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厚労省の強い決意が伝わってきた

 前回、2月24日に開催された第3回会合では、これまでの議論を踏まえ「災害時の保健・医療・福祉分野の連携強化検討会」報告書(案)を大筋で了承。そして今回、同報告書の完成版のほか「大規模災害時の保健医療福祉活動に係る体制の強化について」と題する都道府県宛ての通知案などを示し、構成員らの意見を聴いた。

 久保達彦構成員(広島大学大学院医系科学研究科教授)は「検討会に参加させていただいて私が感じたのは、能登半島地震からしっかりと教訓を抽出して次の確かな対策につなげていくんだという、集まられた先生方、厚生労働省の大変強い決意が伝わってきた」と振り返った。

 その上で、久保構成員は「とてもいい報告書ができて、また今後の事務連絡等にも反映されていくという大きな流れがあるように拝察している」と期待を込め、「情報分析のあり方と同時に、地域のサービス提供体制がどうなっているのかにも着目する考え方がしっかりと打ち出されている」と評価した。

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各省が情報を持ち寄り、総力戦で対応する

 細川秀一構成員(日本医師会常任理事)も「今回の報告書は本当に丁寧に書かれていると感じている」と評価。「在宅や高齢者の入居施設等に寄り添いながら医療をする中で、福祉や保健の部分も多い。今後の議論にまた参加していきたい」と抱負を述べた。
 
 尾島座長は、保健・医療・福祉における「価値観」の違いを挙げた。「医療は目の前にいる患者さんに最善のことをしたいというのが価値観だと思うが、一方で保健は公平に実施可能かどうかを考え、福祉は対象者がどうしたいのかを考える。これらの特徴をお互いに考えながら連携することが大事」と述べた。

 内閣府政策統括官の小林弘史参事官は「災害対応は1つの役所でできるものではなく、各省が情報を持ち寄って総力戦で対応するということは論を待たない」とし、「東京の本部と被災地の現地対策本部に災害応急対策を実施する上で必要な情報が保健福祉医療活動調整本部や支援チームなどに共有されるようにしながら、全力で災害対応にあたっていきたい」と述べた。

 議事を終え、最後に厚労省の佐々木審議官が挨拶。「平時からの連携を一層深めるとともに、皆さんの声を踏まえながら、私どもも不断の見直しを行っていきたい」と述べた。

【厚労省・佐々木昌弘審議官の挨拶】
 本日は年度末のお忙しいところ、最後までご参加いただき誠にありがとうございました。また、「保健医療福祉活動チーム」関係団体の皆様におかれましては、日頃からそれぞれの現場で、持ち場で、災害対応に尽力されていることに改めて御礼を申し上げます。
 本日は、災害時における保健・医療・福祉分野の連携について現場の経験に基づく多くの示唆や課題意識を共有することができたと思います。特に情報共有や調整体制のあり方、平時からの顔の見える関係づくりの重要性については改めて共通認識を持つ機会になったものと受け止めております。
 今回、9人のメンバーで取りまとめいただいた報告書では、現場が主役であり国は後方から支えるという考え方のもと、厚生労働省に「保健医療福祉調整本部支援チーム」を設置し、皆様の活動がより円滑に行えるよう、調整機能を強化していく方向性をお示しいただきました。これは制度をつくること、仕組みをつくること自体が目的ではありません。現場で活動される皆様が本来の役割に専念できる環境を整えることを目指したものと考えております。
 繰り返しになりますが、仕組みはつくって終わりではありません。実際の災害対応の中で活用され、磨かれてこそ初めて意味を持ちます。そして、そのために平時から様々なことをお互いに考え、伝え合うことができる、この関係づくりも重要になります。その主役は、まさにここにお集まりの皆様です。今後は、訓練やネットワーク会議などを通じて平時からの連携を一層深めるとともに、皆さんの声を踏まえながら、私どもも不断の見直しを行っていきたいと考えています。ぜひ引き続き、率直なご意見や、また具体的なご提案をお寄せいただければ幸いです。 
 結びになりますが、改めて日頃より被災者に寄り添い、地域を支えてこられた皆様のご努力に深く敬意を表しますとともに、今後とも連携を深めながら、より実効性のある災害対応体制の構築に取り組んでいくことを申し上げ、閉会のご挨拶とさせていきます。あわせて、9人の検討会の皆様、本当にありがとうございました。今後とも、またよろしくお願いいたします。本日はどうもありがとうございました。

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