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基本指針に「寝たきり防止」の視点を ── 橋本会長、介護保険部会で
Posted By araihiro On 2026年3月10日 @ 11:11 AM In 会長メッセージ,協会の活動等,審議会 | No Comments
第10期介護保険事業計画の作成に向けたスケジュールや基本指針の構成案などが示された厚生労働省の会合で、日本慢性期医療協会の橋本康子会長は「寝たきり防止」の視点を示す必要性を指摘し、「そういう文言を具体的に入れるべき」と提案した。
厚労省は3月9日、社会保障審議会(社保審)介護保険部会の第134回会合を開催し、当会から橋本会長が委員として出席した。
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この日の部会では、最初に新たな部会長として野口晴子委員(早稲田大学政治経済学術院教授)を選出。部会長代理には笠木映里委員(東京大学大学院法学政治学研究科教授)が就任した。
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続いて、令和9年4月からスタートする「第10期介護保険事業計画」の審議に入った。厚労省は同日の部会に「基本指針」に関する資料「1-1」、「1-2」を示し、委員の意見を聴いた。
橋本会長は「介護予防や重度化防止については書かれているが、もう少し具体的な表現や文言が必要」と指摘した。
【橋本康子会長の発言要旨】
基本指針について全体的な意見になるが、いわゆる寝たきり防止や自立支援、ADL低下の防止という文言が、あまり示されていないように思う。そういった文言を基本指針として盛り込むことも必要ではないかと思う。介護予防や重度化防止については書かれているが、もう少し具体的な表現や文言が必要だと思う。
寝たきり防止や自立支援においては、リハビリテーションが必要になる。リハビリテーションというと医療の分野というイメージがあるが、今やリハビリテーションは医療の分野だけではなく、介護分野にも重要なツールとなっているのではないか。
また、人材不足の解消や生産性向上という面からも、寝たきり防止、自立支援、ADLの低下防止などの文言を盛り込んで、それらに対してリハビリテーションをひとつのツールとして行っていくことが大事ではないかと思う。そういう文言をどこかに具体的に入れていくことも必要ではないか。
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続く議題では、高齢者虐待の防止に関する調査結果について報告があった。
調査によると、「養介護施設従事者等による虐待」は、相談・通報件数が3,633件(対前年度比192件増)、虐待判断件数が1,220件(同比97件増)で、いずれも過去最多で4年連続の増加となった。
サービス種別ごとに過去3年間の推移を見ると、虐待が認められた施設・事業所の件数は、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設において高止まり傾向。認知症対応型共同生活介護、住宅型有料老人ホームにおいて特に増加傾向にある。
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質疑で、石田路子委員(NPO法人高齢社会をよくする女性の会副理事長)は「施設における虐待が過去最高であったことは大変衝撃的だが、実際には特養や住宅型有料老人ホームが多い。被害の多くは認知症の方々」と指摘した。
その上で、介護人材の定着が難しい状況に触れながら「認知症の方への専門的なスキルをしっかり獲得してケアをするための研修なども難しくなってきているのではないか」と懸念。「ベテランの職員による新人職員への教育・研修」などを挙げ、「現場の声も聴き取って改善をしてほしい」と要望した。
山田淳子委員(全国老人福祉施設協議会副会長)は「特別養護老人ホームでの発生件数が高止まりしていることなどを大変重く受け止めている」とした上で、虐待防止の指針やマニュアルの整備など「実効性のある取り組みを積極的に進めてきた」と説明した。
その上で、山田委員は「研修の継続的な実施はもちろん、身体拘束や不適切なケアを防ぐためのPDCAサイクルを適切に運用し、組織全体で取り組む仕組みづくりが不可欠」とし、「高齢者の皆さまが安心して生活できるよう、より一層、質の向上に邁進したい」と述べた。
こうした意見に橋本会長も賛同した上で、身近な相談窓口の充実を図る必要性などを指摘した。
【橋本康子会長の発言要旨】
石田委員、山田委員がおっしゃられたとおり、教育やモラル・倫理観の欠如などが原因になっている施設の場合ではないか。介護福祉士はある程度、教育を受けてきていると思うが、今の人材不足の中ではそうでないスタッフもすごく多いと思う。そうした状況の中で教育していかなければいけない。
事故の場合は人的なミスもあるが、虐待では意図的であることや、虐待に当たることがわからなかった、知らなかったなど、そういったことだろう。その防止はなかなか難しいとは思うが、どちらかといえばハラスメントと同様の感じで扱うべきではないかと思う。
ハラスメントの場合には、施設などに窓口があるほか、外部機関などに匿名で相談するなどの方法がある。最もよくわかるのは施設内で一緒に働いている方。結構、そういうことを見つけられる人たちではないかと思う。ハラスメントと同様、わかっていても「告げ口みたいなことは言いたくない」ということもあるので、虐待になるまでの間に防止できるようなことがあれば一番いいと思う。外部機関などに匿名相談ができるような通報方法、相談方法なども考えていくべきではないか。
高齢者虐待に関する防止法の21条で、養介護施設の従事者には市町村への通報義務があるが、市町村に直接言うのはややハードルが高いところもあるので、相談業務みたいなことができるところがその前にあればいいのではないか。
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