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介護度を下げると収入減、「見直す時期」── 橋本会長、介護保険部会で
Posted By araihiro On 2025年10月28日 @ 11:11 AM In 会長メッセージ,協会の活動等,審議会 | No Comments
介護保険制度の改正に向け、「持続可能性の確保」などをテーマに議論した厚生労働省の会合で、日本慢性期医療協会の橋本康子会長は「頑張ってリハビリや栄養状態などを改善して要介護度を下げても、収入が下がってしまうのではインセンティブが働かない」と指摘した上で、「見直す時期ではないか」と提案した。
厚労省は10月27日、社会保障審議会(社保審)介護保険部会(部会長=菊池馨実・早稲田大学理事・法学学術院教授)の第127回会合を開催し、当会から橋本会長が委員として出席した。
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この日の主な議題は、▼1.介護人材確保と職場環境改善・生産性向上、経営改善支援等、▼2.地域包括ケアシステムの深化(相談支援の在り方)、▼3.持続可能性の確保──の3項目。厚労省は各テーマについて、現状・課題、論点に対する考え方(検討の方向性)などを示し、委員の意見を聴いた。
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「議題1」について厚労省は「国や都道府県、介護事業者等が果たすべき役割を制度上も明確化し、その機能強化を図るべき」「人材確保に向けたプラットフォームの枠組みの中で考えていく必要がある」などの方向性を示した。
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「議題2」については、「質の高いケアマネジメントの推進」と題して4項目の論点を挙げた。
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「議題3」では、1号保険料負担の在り方や多床室の室料負担など9項目を挙げた上で、「これまでの本部会での議論や全世代型社会保障改革の議論及び介護保険制度の現状を踏まえ、各テーマの今後の検討について、どう考えるか」と意見を求めた。
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この日の会合は2時間半を超えた。橋本会長は議題1~3の全てについて意見を述べた。橋本会長の発言要旨は以下のとおり。
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[橋本康子会長]
4ページのプラットフォームについて、介護人材確保の例として出していただいている。確かに、こういったプラットフォームをつくっていくことも、すごく有用で、大事なことだと思う。
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ここでは、「福祉人材センター(コーディネーター的役割)、「ハローワーク」、「介護福祉士養成施設等」などが書かれている。
ただ、人材センターやハローワークに来てくれる介護職の人は少ない。また、人材センターなどでマッチングをしたり、就労後のフォローアップをしたりしようとしても、人材センターも人手不足という状況がある。もともとマッチングする介護人材がいないし、センターも人材不足というところが一番大きな問題になっていると思う。
そうすると、養成施設や資格が取れる専門学校はもちろん必要だが、さらに人材センターやハローワーク、介護労働安定センターなどでも介護の勉強ができるようにするとか、資格取得まではいかないとしても、研修ができるとか講座があるといった工夫をして、介護の人たちの人数を増やしていくことが必要だと思う。そして、処遇改善だけでなく、施設全体の収益増なども必要だと思う。したがって、収益面と勉強する場ということも、このプラットフォームに合わせて考えていくべきではないか。
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まず論点①について、11ページ。ケアマネジャーの資格取得要件の見直しについて。
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提案では、「診療放射線技師、臨床検査技師、臨床工学技士、救急救命士、公認心理師について、新たに受験資格として認める」ということで、放射線技師や臨床検査技師が増えてもいいとは思う。
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ただ、9ページを見ると、皆さんもご承知のようにケアマネジャーはすごく高齢化しており、20代、30代はほとんどいない。ということは、例えば、ダブル資格でケアマネジャーを取ったとしても、ケアマネジャーとしての業務を開始するのは、すごく遅い時期になるように思う。
ケアマネジャーの資格は私も持っているし、看護師にしても他の職種にしてもそうだが、今はケアマネジャーの仕事をしておらず、看護師などの仕事に従事している人のほうが多いのではないか。そうすると、放射線技師等を増やすのは別に構わないとは思うが、職種を増やしたからケアマネジャーになる人がどんどん劇的に増えるということは期待できないと思う。ただ、そういうことも踏まえた上で増やすのであればいいと思う。
次に、論点②について。12ページでは、「ゴミ出し、通院時等の送迎、死後事務といった業務を、法定外業務(いわゆるシャドウワーク)として実施せざるを得ないケースも一定数生じている」としている。
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よく言われている法定外業務、「シャドウワーク」と言われている。先ほどからの意見にもあるように、「シャドウワーク」と言っても誰かがしなければいけないので、「シャドウワーク」という言葉がどうなのかと思う。
それを具体的にどうするか。それを全部ケアマネジャーに投げてしまうのか、誰かに連絡したら協力してもらえるようにするのか。
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論点に関する考え方(検討の方向性)では、「法定業務の中でも、給付管理を始めとする事務的な業務について、ケアマネジャーに求められる役割との関係等も踏まえて、生産性向上や適切な業務分担のための環境整備等を推進する」、「法定外業務(シャドウワーク)については、地域ケア会議も活用しながら地域課題として議論し、実効的な課題解決につながるような取組を推進する」としている。
先ほど、加算という意見も出ていたが、きちんと業務として、もう一度見直したほうがいいのではないかと思う。人が少なくなってきているので、民間企業などとも協力して、ケアマネジャーの法定外業務に関しては、きちんと見直して、やるべき業務として扱ったほうがいいのではないか。
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論点③(ケアマネジャーの更新制・法定研修の見直し)では、「更新研修の受講を要件とした介護支援専門員証の有効期間の更新の仕組みは廃止してはどうか」としている。
ケアマネジャーの皆さんは勉強したいと思っているはずなので、研修を受けやすい状況にしたり、ポイント制にしたり、いろいろあると思う。バサッとやめてしまうというのは、ちょっと乱暴ではないかとは思う。
ただ一方で、医療界において、医師も含めて他の職種には、5年、10年ごとの資格更新はほぼない。ケアマネジャーだけ資格更新を条件付けていることには、ちょっと違和感があるので、そこはもう少し考えるべきではないかと思う。
論点④(主任ケアマネジャーの位置付けの明確化)については、「本来の役割を発揮できるようにするとともに、ケアマネジャーが主任ケアマネジャーを目指すことができるような環境整備を進めることを検討」としている。
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主任ケアマネジャーは仕事量が多すぎる。居宅介護支援事業所は赤字の事業者が多いので、経営的な面で非常に頑張っている。そのため、ケアマネジャーの仕事をされているような感じではないので、その辺りの業務内容も考えたほうがいいと思う。
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先ほど菊地部会長が(総論的な内容を)おっしゃられたように、具体的なことではないが、全体的なことで意見を述べたい。「総論」にあるように、介護費用の総額は制度創設時から約4.0倍の14.3兆円に増えている。
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高齢化がどんどん進んでいく。介護保険を負担する人が多くなっている。介護をする人が減ってきて、コストがすごくかかってくるのは事実。一方で、介護を受ける人や寝たきりの患者さんを減らすこと、寝たきり期間を短縮することもすごく重要な課題ではないか。
そこで、どうしたらいいか。要介護度5の人を4にしたり、3にしたりするようにする。しかし、そのように頑張って要介護度1にして、元気に動けるようにしたとしても、点数が下がり、収入減になる。例えば、リハビリや栄養問状態など、いろいろなことを改善して元気にして、寝たきり期間を短くしたとしても、収入が下がってしまう。それではインセンティブが働かないと思うので、そのあたりから、そろそろ見直す時期ではないかと感じている。
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