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高額薬剤、「回リハでも包括除外に」── 井川副会長、入院外来分科会で
Posted By araihiro On 2025年9月12日 @ 2:14 PM In 協会の活動等,審議会,役員メッセージ | No Comments
包括期の入院医療を担う病棟の救急や後方支援などを議論した厚生労働省の会合で、日本慢性期医療協会の井川誠一郎副会長は受入困難事例になりうる高額薬剤について「地域包括ケア病棟では出来高算定できるが、回復期リハビリ病棟では包括除外になっていない」と指摘し、「回リハでも包括除外の薬剤に加えるべき」と提案した。
厚労省は9月11日、中央社会保険医療協議会(中医協)の診療報酬調査専門組織である「入院・外来医療等の調査・評価分科会」(分科会長=尾形裕也・九州大学名誉教授)の令和7年度第11回会合を開き、当会から井川副会長が委員として出席した。
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この日の議題は7項目。議題1・2では、同分科会の作業グループからの最終報告を承認。その後、議題3~6では資料「入-3」に示されたデータ等を踏まえて議論した。議題7(その他)では、大学病院からの逆紹介割合に関する調査結果について報告があった。
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「入-3」に示されたのは、①包括的な機能を担う入院医療(その3)、②重症度、医療・看護必要度、③働き方・タスクシフト/シェア(その3)、④病棟における多職種でのケア(その2)──の4項目。井川副会長はこのうち、①③④について意見を述べた。井川副会長の発言要旨は以下のとおり。
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[井川誠一郎副会長]
12ページ(包括期の病棟における緊急入院等の状況)では、非常に細かく分析をしていただいて、ありがたいと思っている。
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12ページでは、緊急入院の状況として、「地域包括ケア病棟入院料・管理料」「地域包括医療病棟」の件数が示されている。
また、13ページ(包括期の病院機能を表現しうる指標同士の関係)では、在宅患者の緊急入院数を主軸とした在宅医から入院に関する加算の算定状況などの関係を示していただいた。
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ここで1つ質問したい。新たな地域医療構想の中で言われる「包括期」の中には回復期リハビリテーション病棟が入っているはずだが、ここでいう「包括期」というのは、回復期リハビリ病棟を抜いた2つだけであると認識してよろしいか?
[厚労省担当者]
回復期リハビリテーションを除いて、地域包括医療病棟と地域包括ケア病棟で分析している。
[井川誠一郎副会長]
続けて質問させていただく。13ページの指標について、このプロットは、地域包括ケア病棟と地域包括医療病棟を合算した形で入っているという理解でいいだろうか?
[厚労省担当者]
そのとおり。
[井川誠一郎副会長]
13ページの1つ目の丸には、緊急入院が多いにもかかわらず、在宅患者緊急入院加算や協力対象施設入所者入院加算を算定していない施設が多く見られると書かれている。
また、下段の左のグラフでは両加算の算定状況の関係を見ているが、上段の左2つの散布図を見る限り、いずれも3.0というところが非常に多い。そうすると、散布図でも、いずれの算定もゼロというのは、1点に集中しているので、マスとして全然わからない。散布図の形にならないという状況になってしまって、その数の重みが全く見えなくなってしまう。
加算同士の関係を見るには、やはり散布図は適当ではないのではないか。それぞれ、n数をいっぱい書いていかないと、なかなかわからないというか、どちらかというのがわからないという感じがしている。これらの算定がされない理由について、事務局で把握されているかを質問したい。
また、在宅患者緊急入院診療加算を届け出ていない理由を問う設問は、令和6年、令和7年の調査票にはなかったはず。一方で、協力対象施設入所者入院加算に関しては、令和7年度の調査に入っていたと記憶している。そうすると、そのデータが出ていると思われるので、わかれば教えていただきたい。
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続けて、17ページ(地域包括医療病棟における施設からの緊急入院の状況)の囲み部分。地域包括ケア病棟では、協力対象施設入所者入院加算の施設基準を満たさなくても、施設から緊急入院を多く受け入れている病棟があることが示されている。地域包括医療病棟の役目から考えれば当然であると考える。本来であれば地域包括ケア病棟だけでOKだが、地域包括医療病棟も加算の算定要件に加えるべきではないか。
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27ページには、「入院受入が困難となる理由」として高額薬剤の使用があるということで、28ページに「受入困難事例になりうる高額薬剤の内容」について記載がある。
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29ページ(受入困難事例になりうる高額薬剤の内容)の囲みの2つ目の丸には、「4分の1を超える回復期リハビリテーション病棟を有する病院で抗がん剤が回答された」との記載がある。抗がん剤のほかに、医療用麻薬などもあるが、「回復期リハビリテーション病棟で特有に回答されていた」と示されている。
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この理由は明白である。これらの薬剤が地域包括ケア病棟や療養病棟では包括除外薬剤として出来高算定できるのに対して、30ページに示されているように、回復期リハビリ病棟ではそうなっていないということがある。
抗がん剤治療等が非常に進んでいる。それを継続的に投与することによって命がずっと長らえるということが実際に起きているので、回復期リハビリ病棟だからといって、それはしないというのはやはり難しい。したがって、回リハ病棟も、その除外に加えていくべきだろうと私は考える。
[厚労省担当者]
ご質問いただいた在宅患者緊急入院診療加算と協力対象施設入所者入院加算の算定があまり触れていない理由だが、在宅患者緊急入院診療加算に関しては7年度の調査に、ご指摘のとおり入っていない。実態のところは正確な情報を把握していないのが実情である。
協力対象施設については令和6年度に設けられたので調査を行っており、結果が前回の入退院支援の回のところで少し資料を提示していたが、やはりカンファレンス要件などがかなり厳しいということもあり、協力医療機関自体は依頼されている件数はかなりあるようだが、困難な理由として挙げられていたものは、半数程度がカンファレンスの要件やICTを設けるという要件のところをコメントされていた。それを前回の会のときに資料をご提示している。
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[井川誠一郎副会長]
特定行為研修について質問させていただく。日本慢性期医療協会では既に350人程度の特定行為研修修了者を輩出しているので非常に気になるところである。125ページから6ページにわたり、特定行為研修修了者の現状についての資料が示されている。
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そして、130ページ。修了者の就業場所のほとんどが病院であることが示されている。
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特定行為研修の制度の趣旨は、そもそも発足時に2025年に向けて、さらなる在宅医療の推進を図っていくためという大上段の構えがあった。在宅医療を推進していくという目的があった。
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2025年となった現在、そこが変わっているかというと、「2025年に向けて」という文言が消えただけで、在宅医療の推進を図っていくという目的は厚労省のホームページには書かれている。
特定行為研修が「働き方・タスクシフト/シェア」の項目に入っているが、例えば、平成14年に静脈注射が医師の指示のもとで看護師が実施しても良い行為になったような形での、医師の行為を肩代わりするような、いわゆるミニドクターをつくるような趣旨では本来なかったと考えているし、そうなっていいかと言われると、この点では疑念を感じる。
特定看護師の病棟配置等に加算が付くのは非常に歓迎する。それが今後増えていくことにつながるとは思うが、そのために病棟という単位に縛られすぎて、さらにタスクシフトという大上段の言葉によって、結局、ミニドクターになってしまうということは避けなければならない。本来の目的から逸脱しているのではないかと考えている。
例えば、感染の認定看護師が病棟をまたいで活躍して、ICTのようなものをずっと行えるように感染対策室みたいな形が作られて、そういうところで活躍しておられるように、例えば、特定看護師も病棟をまたいで活躍したり、場合によっては地域に出て活躍したりするようなことに関する何らかのインセンティブが付けばいいと考えている。分科会マターから外れてしまって申し訳ないが、これは1つの意見である。
厚労省の考えとしては、急性期病院のミニドクターをつくりたいということではないだろうと思うが、もし、ご意見があれば教えていただきたい。
[厚労省担当者]
ご指摘のとおり、特定行為研修制度は「さらなる在宅医療等の推進を図っていくために」ということで、手順書により、一定の診療の補助を行う看護師を養成し、確保することを目的に創設された制度になっている。ただ、在宅の部分で申し上げたが、なかなか訪問看護ステーションから研修に人を出しにくいという声もいただいている。特定行為実施体制推進事業などで訪問看護への広がりを進めているところである。
また、今回の資料のように病院で働く特定行為研修修了者が多いというところで、医師の働き方改革の影響で、医師から看護職へのタスクシフト・シェアを進める上で、研修に出しやすい比較的大きな組織である病院で活躍する看護師が増えているという現状は承知している。今後、在宅医療の需要が増えていく中で、在宅、介護分野での活躍を一層進めていく必要があると思っている。
例えば、今回、133ページ(病院と介護保険施設等との連携)に出しているような活躍を現状されているというところを把握している。例えば、後方支援、協力医療機関としての連携の可能性も1つとして考えているので、そういうところについても引き続き考えたいと思っている。
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[井川誠一郎副会長]
リハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算について意見を述べる。先ほど津留委員がおっしゃったように非常に良い加算であろうと私も思っている。
今回、非常に詳細な分析をしていただいた。この加算を取っているところはしっかりとADLが上がっているところが非常に多く、取っていないところは上がり方が悪いということがわかった。低下した原因についても、要介護度や年齢がより高い人たちが悪くなるということもわかった。
資料の中で注目したいのは145ページ。そして、152ページ(地包医病棟におけるリハビリテーション・栄養・口腔連携加算の算定とADL変化)。
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地域包括医療病棟における変化の中で見てみると、地域包括医療病棟のほうが遥かに良くなった患者の比率が高い。10以上、上がっているのが40何%と非常に増えている。そういうところを見てみると、今後はこの違いを分析して、それに合わせた形で、これを順応させていく必要があるのではないか。
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