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第3回慢性期ICU看護レベルアップ研修 開催のご報告

Posted By 日本慢性期医療協会 On 2012年3月11日 @ 11:26 PM In 協会の活動等 | No Comments

 平成24年3月10日・11日の2日間にわたり、神奈川県秦野市のテルモメディカルプラネックスにて、第3回慢性期ICU看護レベルアップ研修が開催されました。

 「慢性期ICU」という用語は一般的にはまだ耳慣れない用語だと思います。それもそのはずで、「慢性期ICU」というのは、本研修が平成23年2月にスタートしたときから考えられた日本慢性期医療協会による用語なのです。

 ではなぜ、「慢性期ICU」なのでしょうか。それは、一言でいえば、当協会の会長、武久洋三先生が各方面で主張されている「急性期の治療を終えた患者は慢性期が引き受ける」ということに集約されると思います。つまり、慢性期病床においても急性期治療機能を併せ持つ必要性が高まってきているということです。

 本研修は、教育指導に携わる師長・主任レベルの看護職を参加対象としています。そのため、AEDの使い方や心電図の測り方などといったいわゆるタスクトレーニングはプログラムには含まれていません。研修委員会の富家委員長によれば、この研修の最大のねらいは、最新設備と臨場感あふれるシナリオシミュレーションによってもう一度現場スタッフの心理状態を体験し、パニックを起こしてもやむを得ない状況の中で、思いっきりストレスを感じること、にあるのです。

 参加者が取り組むトレーニングは、「病棟における急変対応」、「病棟における多重課題」、「在宅における救急対応」、「急変した患者の家族対応」、「フィジカルアセスメント」などのシナリオシミュレーションやロールプレイです。また、フォローアップ研修として、前回開催時の参加者がファシリテーターや患者家族役として参加しているのも本研修の大きな特徴です。
 
2日目オリエンテーション
 今回の研修では、研修委員会副委員長の藤﨑剛斎先生(国分中央病院理事長)および同委員の佐藤ミカ先生(草津こまくさ病院院長)が全体のコーディネーターを務められました。藤﨑先生からは、「医療の現場において『あり得ないこと』などない。柔軟な発想で研修に臨んでほしい」とのアドバイスが、佐藤先生からは、「この研修は答え合わせが目的ではなく、自分がとったアプローチをふりかえって現場に生かしていくことが大切」とのメッセージが送られました。

 トレーニングを終えた参加者からは、「自分自身を客観的にふりかえることができ、具体的な課題が見えました」、「近年の慢性期病床では医療必要度の高い患者さんが多くなり、現場のレベルアップ、質の向上は必須。私たちに求められる役割を再認識しました」など、たくさんの前向きなコメントが寄せられました。

 本研修の特筆すべきことの一つに、運営にかかわるスタッフ数の多さがあります。今回の開催でも、レベルアップ研修の参加者36名、フォローアップ研修の参加者15名、合計51名の参加者に対し、スタッフ27名が運営にあたりました。とくにテルモ株式会社のスタッフの方々による各トレーニングの進行や会場誘導はとてもスムーズで、藤﨑先生や佐藤先生も回を重ねるごとに研修自体が洗練されてきているという印象を持たれたようです。

 次回、第4回慢性期ICU 看護研修は、平成24 年7月7・8日に開催を予定しています。皆様のご参加をお待ちしています。

 *研修第2日目は、東日本大震災の発生から1年目にあたり、参加者、スタッフ一同、黙祷を捧げました。
 
看護研修-黙祷

 



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